女性が感じる仕組みとは?スキーン腺とオーガズムの関係について解説

2023.07.13

  • 女性器形成

この記事を読んでいるあなたは

  • 女性がオーガズムを感じる仕組みが知りたい
  • スキーン腺って何?
  • オーガズムを感じにくいのはなぜ?

上記のように考えているかもしれません。

この記事ではそんなあなたに「女性が感じる仕組みとは?オーガズムとスキーン腺の関係について解説」までお伝えしていきます。

女性のオーガズムとは

コラム31-6

オーガズムとは、性的な緊張からの解放を指し、「性的絶頂」「エクスタシー」とも言われます。一般的にはオーガズムを感じると、骨盤周辺の筋肉がリズミカルな痙攣と共に快感が起きた後、体の緊張が緩和された状態へ至ります。
ですが、女性のオーガズムは医学的にはあまり研究の進んでいない分野です。オーガズムが起こる理由はまだ完全には分かっていないとされています。

オーガズムには個人差がある

オーガズムに達するには身体の発達や経験値によって個人差があります。女性が快感を感じられるGスポットや後述するスキーン腺などは性器の発達具合によって異なるためです。
また、自分で触ったとしても位置の特定は難しく、人によってはGスポットがそもそも存在しないこともあります。そのため、オーガズムを全く感じないという方もいますが、個人差のあるものなので不安を感じる必要はありません。

オーガズムを感じる方法

オーガズムを経験するには性的な刺激を複数回重ねていくことが必要です。しかし、同じ人間であっても体調や状況によって感じ方が異なり、同じ方法で常にうまくいくとは限りません。加えて、感情と同じようにオーガズムの感じ方もその時々で異なります。うまくいかないからとショックを受けたり、自分を責めてしまわないようにしましょう。

女性がオーガズム感じる場所

外イキや中イキのように分けてたり、中イキの方が深いオーガズムを感じられるとも言われています。ですが、同じ器官なので差はなく、快感を得る場所の違いでしかありません。
また、女性器を刺激することでオーガズムに達すると思われがちですが、女性器以外でもイクことは可能です。本人の体質やパートナーのテクニックにもよりますが、肛門の刺激によるオーガズムや乳首、わきの下などが性感帯になる方もいます。

<セックスの相性について詳しいコラム>
セックスの相性は作れる?相性の基準や対処方法の解説

スキーン腺について

コラム32-9

スキーン腺とは、女性器に存在する組織の一つで、女性のオーガズムに大きく関係する器官です。スキーン腺からはオーガズムの前後にみられる様々な液体が分泌されます。ここではスキーン腺の場所や役割について解説していきます。

スキーン腺液とは

女性の性器から分泌される液体は複数あり、興奮や刺激によって分泌されます。スキーン腺液はスキーン腺から分泌される分泌液のことをいい、白くねっとりとした粘液です。スキーン腺は男性でいうところの前立腺にあたる器官のため、スキーン腺液の分泌は「女性の射精」と言われています。

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女性器とは?膣の構造とゆるむ原因や改善方法について

スキーン腺の場所と探し方

スキーン腺は膣前庭という女性器の入り口付近に存在します。尿道付近に存在しており表面からは見て確認できませんが、スキーン腺の開口部というものがあります。基本的には尿道口の左右2か所にあるとされていますが、人によって数は様々です。全くない人もいれば、2か所以上ある人も存在します。

スキーン腺液と尿の違い

スキーン腺液と尿は大きく異なります。スキーン腺液は白く濁った見た目をしており、ほぼ無臭かつ、量はごくわずかしか分泌されません。尿は透明もしくは黄色い色をしており、微量のアンモニア臭を放ちます。通常尿は生理現象により身体から排泄されますが、スキーン腺液はオーガズムの前後に反射反応として分泌されます。

オーガズムが起こる仕組み

コラム31-3

女性のオーガズムは「興奮期→高原期→オーガズム期→消退期」の4つの段階があり、ここではそれぞれの状態や変化を解説します。

興奮期

性的興奮を感じると、膣、クリトリス、小陰唇、乳首などが充血して、心拍数や血圧が上昇し始めます。膣壁から分泌液が出ていわゆる「濡れる」という状態になります。この時、強かったり、早い動きで前戯を行うと痛みを感じることもあります。また、濡れているからといって挿入をすると、女性の体は高原期に入らずに興奮が落ち着いてしまいます。

高原期

さらに血液が充血して、膣、クリトリスなどがよりふっくらとしてきます。そのまま肉体的な快感が得られる状態が続くと、「バルーン現象」という現象が起こります。バルーン現象とは、膣の入り口が締まり、膣の奥が風船のように広がる現象です。膣の奥に空間ができるのは、子宮に精子を溜めやすくするためと言われています。ですが、その締まり方や広がりは個人差が大きく、コントロールすることもできません。
また、バルーン現象が起こると膣から空気が漏れやすくなるため、膣からおならのような音が出る「クイーフ現象(膣なら)」が起こりやすくなります。女性にとっては恥ずかしい音でしょうし、行為に集中しにくくなる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、女性にとってはオーガズムを迎えやすい状態であるため、なるべく行為に集中するようにしましょう。

オーガズム期

性的興奮が絶頂に達すると、快感を伴いながら筋肉が痙攣し、その反射により性器が収縮します。これがオーガズムです。オーガズムは、刺激の積み重ねによって意図せず起こる反射だと言われています。体の反射によって起こるため、意識してオーガズムを起こそうと思っても難しく、思い通りにはいきません。

消退期

オーガズムを迎えて、変化していた体が通常に戻る状態です。ゆっくりと時間をかけて戻ることが一般的で、膣の収縮がおさまると性器に集中していた血液が引いていきます。しかし、女性は消退期が男性より緩やかに収束するため、オーガズム期を繰り返す方もいます。

オーガズムの種類

コラム34-2

女性が得られるオーガズムは複数あるといわれていますが、実のところ、医学の分野では快感を感じる器官は同じだとされています。クリトリスや尿道、膣などが、すべて繋がっているためです。ここでは、一般的に女性器の中でオーガズムが得やすいと言われる場所を紹介します。

外イキ(クリトリス)

クリトリスは男性でいうところの「亀頭」に相当する器官で、快感を得られる神経が多く集まっているのが特徴です。そのため、オーガズムを得やすい器官としてもよく知られています。快感は浅めで、余韻も短い場所ですが、分かりやすい場所にあるため、刺激しやすい場所でもあります。

中イキ(Gスポット)

Gスポットは膣内部の上部に存在する性感帯で、膣開口部から3〜5センチ中に入った膣前壁にあります。ちょうど恥骨の裏側付近にあり、表面がザラザラしているのが特徴と言われていたりしますが、必ずしも医学的に証明されているわけではありません。人によっては場所が異なりますが、刺激や興奮によって愛液の分泌量が増えたり、Gスポットが膨らむことがあります。クリトリスでのオーガズムよりも余韻が長く、全身の力が抜け落ちたような感覚になると言われています。

中イキ(ポルチオ)

Gスポットよりもさらに奥側にある子宮口付近の性感帯です。クリトリスやGスポットとは比べ物にならない絶頂感や快感が得られるなどと言われることで知られていますが、最もオーガズムを経験していない女性が多い部分でもあります。1回や2回ではオーガズムに達することは難しく、しっかりと時間をかけて刺激することでオーガズムを得やすくなります。

オーガズムとスキーン腺の関係性

コラム29-9

スキーン腺液については現在でも未知の部分が多く、「潮吹き」はスキーン腺液によるものとされていました。現在の研究では、スキーン腺液と潮吹きは異なるものであると結論づけられています。ここではオーガズムとスキーン腺の関係性について解説していきます。

オーガズムとスキーン腺液は別物

「女性の射精」といわれているスキーン腺液ですが、スキーン腺液の分泌とオーガズムは同じではありません。スキーン腺液はオーガズムの前後で分泌されるため、それぞれ別の現象と捉えられているためです。
また、スキーン腺は1〜3ml程度しか分泌液を保持できないため、一度に分泌される量はごく僅かで、オーガズムの過程で分泌されることから潮吹きとも違う現象です。潮吹きもオーガズムとは異なり、潮吹きが起きた際には気持ちよさではなく痛みを感じる人もいます。

スキーン腺とGスポットの位置

スキーン腺は女性器表面からの愛撫や膣内部からの愛撫でも感じられ、Gスポットとも距離が近いことからGスポット付近を愛撫することで刺激を得られます。尿道が近いため、人によっては刺激により尿意を感じるかもしれません。

オーガズムの感覚

前述の通り、スキーン腺の刺激は尿意に似た感覚を伴うといわれており、「おしっこが漏れそう」と行為に消極的になってしまうことでオーガズムを回避してしまうケースもよくあることです。尿道付近にスキーン腺の開口部があるので、尿道口付近を刺激することでスキーン腺を刺激できます。

女性のオーガズム障害

コラム34-9

女性のオーガズム障害は性機能障害の1つです。様々な原因により起こりうるオーガズム障害やオーガズムを感じにくい女性の割合などを紹介しています。

オーガズム障害の特徴

マスターべションでオーガズムを感じることができるが、性交渉ではオーガズムに達するのが困難もしくはできないといった特徴をもっています。また、オーガズム障害は「原発性」と「続発性」に分けられます。原発性は1度もオーガズムを得られたことがなく、続発性は以前はオーガズムを得られたけど現在は得ることができない状態です。

オーガズム障害の原因

女性のオーガズム障害の原因として、

  • 心理的要因
  • 婦人科疾患
  • 更年期障害
  • 精神障害(うつ病など)
  • 前戯が不足している
  • 性的開発ができていない

といったことなどがあげられます。オーガズム障害のある方の多くが、性交痛といった症状を併発する可能性もあり、解決するためには原因を理解することや適切な治療が必要です。

オーガズムを感じにくい女性の割合

JEX SEX SURVEY 2020 調査結果報告書によると、2247名の女性のうち21.5%の女性がオーガズムに達することができないと回答しています。

年齢別に見ると、

  • 20代:35.4%
  • 30代:31.5%
  • 40代:26.8%
  • 50代:14.5%
  • 60代:7.6%

といった結果が出ています。オーガズムに達することができない割合が年齢を重ねると減っていく理由としては、感じるパターンを体で覚えるといったことが考えられます。
ですが、オーガズムの経験には個人差があり、知らなくともおかしいことではありません。自分を責めたり、焦ったりすると、オーガズムに達しづらくなってしまうので、気負わないように気をつけましょう。

参考:JEX SEX SURVEY 2020 調査結果報告書

オーガズム障害セルフチェック

コラム25-2

オーガズム障害は、明確に疾患として扱われていません。そのため、正確な診断基準といったものがないため、女性性機能障害(FSD)でのチェックがよいでしょう。合計スコアが26.55を超えると、女性性機能障害(FSD)に該当する可能性が高いです。

参照:女性性機能指数(FSFI) (札幌医大日本語訳)

ヴェアリークリニックでの治療方法

コラム31-2

ヴェアリークリニックでは、膣のゆるみ改善や感度を高める施術をご用意しています。個人の状態によって異なるため、無料カウンセリングでお悩みをお聞かせください。

名器形成(膣内ヒアルロン酸)

ヒアルロン酸を膣内へ注入することで、膣のゆるみを解消できる施術です。また、以下のようなメリットがあります。

  • 性交痛の改善
  • 自身の感度を高められる
  • メスを使わないで改善できる
  • パートナーの満足度があがる
  • ダウンタイムが短い
  • 濡れやすくなる

お悩みや希望するデザインに合わせて、ヒアルロン酸の性質や量をご提案させていただきます。後述するGショットとの併用も可能です。

<ヒアルロン酸の種類についての詳しいコラム>
ヒアルロン酸の種類とアラガン製や韓国製の特徴を解説

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Gショット

Gショットは、名器形成(膣内ヒアルロン酸)と同様にヒアルロン酸を注入する施術です。膣全体に注入する名器形成(膣内ヒアルロン酸)と違い、Gショットはオーガズムとの関連深いGスポットへ集中してヒアルロン酸を注入します。ヒアルロン酸でGスポットを隆起させて男性器に当たりやすくなることで感度をあげたり、ヒアルロン酸の副次効果で湿潤環境を保ちやすく、濡れやすくといったことが期待できます。

<ヒアルロン酸についての詳しいコラム>
ヒアルロン酸とは?効果やメリットと起こりうるリスクについて解説

コラムバナー_Gショット

クリトリス包茎手術

クリトリスはオーガズムを得る神経が多く集まっている部位です。この部位が包皮という皮膚によって覆われていると、性的刺激が足りずにオーガズムに達しにくくなることもあります。クリトリス包茎手術では包皮を取り除くことで感度をあげたり、バランスよく見た目を整えることも可能です。

<クリトリス包茎手術についての詳しいコラム>
クリトリス包茎手術によるメリットや治療の流れを解説

コラムバナー_クリトリス包茎手術

まとめ

コラム24-4

女性でオーガズムの経験がない方は少なくはありません。改善したいと思った時、パートナーや医療機関の力が必要になることもあるでしょう。もし、辛い思いを抱えているなら、ヴェアリークリニックでぜひご相談ください。下半身美容クリニックとして、患者様のお悩みに寄り添ったご提案をさせていただきます。

この記事を監修した医師

ヴェアリークリニック院長

井上 裕章

医師プロフィール

東京大学医学部の卒業後は外科専門研修を修了し、外科専門医を取得。性器・生殖器官や大腸肛門を含む骨盤臓器、および下肢の疾患を専門とする外科診療にあたる中で、下半身の美容的な悩みを抱える患者さんから相談が多く寄せられるようになる。その過程で、下半身美容を専門的かつ総合的に診療している美容医療機関が存在せず、それぞれの分野に分かれて別個で診療されていることを知り美容医療の道へ。最善の治療を患者さんに提供するべく、各分野の美容系クリニックでの修練を重ねたのちに、自らの骨盤臓器と下肢に対する外科治療の経験および解剖の知識を生かし、下半身に関する総合的かつ専門的な美容医療を提供する「veary clinic」 を開院へと至る。