女性器とは?それぞれの名称や構造とトラブルを解説
2024.04.12
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フェムテック
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女性器形成
この記事を読んでいるあなたは
- 女性器の医学的な知識が知りたい
- 自分の体に詳しくなりたい
- 女性器の役割が知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事ではそんなあなたに「女性器とは?それぞれの名称や構造とトラブルを解説」までお伝えしていきます。
女性器とは?
女性器とは、尿道や肛門が物理的に近い位置にある女性の生殖器官を指します。性交渉などを通して病原体やウイルスが侵入しやすかったり、月経に関する不調を抱えてしまうなど、日頃の生活でさまざまな刺激に影響を受ける敏感な器官です。
女性器のトラブル
女性器やその周辺の痛みやかゆみなどのトラブルは、忙しい現代社会において放置されがちです。その結果、治療が遅れたり、コンプレックスが悪化する可能性も抱えやすくなります。そうしたお悩みも女性器の構造やトラブルの原因を理解することで、早めの予防や対処も可能になります。自身で見極めるためにも女性器に関する知識や理解を深めていきましょう。
女性の内性器構造と各名称について
女性の内性器は以下のような構造をしています。
- 膣
- 子宮
- 卵巣
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膣の構造
膣とは、雌性の生殖器の一部であり、体の表面と子宮頸部をつなぐ管状の器官です。そのほかにも、ヴァギナまたはワギナといった名称で呼ばれることもあります。一般的に成人女性の膣の長さは約7cm〜9cmとされていますが、もちろん個人差があるものです。
また、膣自体は伸縮性のある筋肉で構成、膣内は粘膜で覆われており、
- おりものを分泌して感染予防
- 体の外におりものや経血を排出
- 性行為の際に男性器を受け入れる
- 出産時における胎児の通り道(産道)
などの役割を果たしています。
子宮の構造
子宮は「子宮頸部」と「子宮体部」の2つの部位で構成に分けることができます。
子宮頸部は膣と子宮体部を繋いでいる管状の器官です。経血や精子、胎児の通り道にもなりますが、胎児を子宮内にとどめておく役割も担っています。妊娠時には子宮頸部の形状は硬く変化、出産が近くなると柔らかくことで、胎児の生まれるタイミングの推定もできます。
一方、子宮体部は月経や妊娠、陣痛などの役割を持っている袋状の器官です。受精卵が子宮体部に着床しなかった場合には、子宮内膜が月経として体外へ排出します。着床した場合には、受精卵を胎児へ成長させ、出産まで胎児を育てる部屋としての役割を担います。
卵巣の構造
卵巣は子宮の左右に位置し、通常だと2~3cmくらいのアーモンドのような形をした器官です。生まれる前に作られた原始卵胞を保管しており、それを成熟させて卵巣から卵子として放出(排卵)させる役割を持ちます。
また、卵巣からは、女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」と分泌しています。意外なことのように思われますが、卵巣でも一部の男性ホルモンも分泌可能です。これらのホルモンが一定周期(約1ヶ月)ごとに変動を起こすことで、月経周期を作り出しています。
さらに卵巣の周辺には「卵管采」と「卵管」と呼ばれる組織が存在します。これらの器官はそれぞれ、放出された卵子を卵管へ運び、卵管から子宮へと運ぶ役割を有しています。
このような役割があるのに、実は卵巣と卵管采は直接繋がっていません。ですが、卵管采は卵子が卵巣から放出されると、まるでイソギンチャクのように先端が伸び、卵子を取り込むとされています。
女性の外性器(外陰)構造と各名称について
ここでは、女性の外陰部(外陰)について簡単に解説しています。大きさや形、色などの個人差はありますが、基本的な構造は以下のようになっています。
大陰唇
大陰唇は、厚い脂肪と皮膚で構成された左右一対のひだ状の部位です。小陰唇やクリトリス、尿道や膣口などを覆っており、大陰唇にはそうした部位を保護する役割があります。恥丘や肛門とも繋がっており、思春期以降になると陰毛で覆われるようになります。
小陰唇
小陰唇も左右一対で、尿道や膣開口部を守る役割を持った部位です。大陰唇は陰毛が生えているのに対して、小陰唇には陰毛が生えません。
サイズや左右差には個人差が大きく、見た目以外にも黒ずみや痛みといった日常生活における悩みの声を患者様からお聞きする部位でもあります。ヴェアリークリニックでは、これらのお悩みに小陰唇縮小手術で対応しています。お悩みに合わせてデザインしていますので、お気軽にご相談ください。
<小陰唇のお悩みについてのコラム>
女性器のびらびら(小陰唇)肥大化・黒ずみの改善と小陰唇縮小手術について
副皮
大陰唇と小陰唇の間にあるとされている部位ですが、解剖学的には正式名称ではありません。副皮はいわゆる俗称で、小陰唇とは見分けや区別の難しい場所となっています。
また、すべての女性に副皮があるわけではありません。副皮の有無には個人差があり、片側のみに存在する場合や複数存在する場合もあります。小陰唇に肥大がみられると副皮も存在することが多いため、小陰唇縮小手術と同時に副皮を切除することが一般的です。
クリトリス
クリトリスは、外尿道口の上部かつ小陰唇の重なる場所に位置しています。陰核とも呼ばれ、5〜7mmほどの小さな突起物のような見た目をしています。ですが、実際には体の外だけでなく、大部分は体内に埋まっています。体の外から見えている部分はクリトリスのほんの一部で、尿道や膣などの器官と繋がっている大きな組織です。
また、クリトリスは男性器でいうところの陰茎に相当する部位で、オーガズムを得る神経が8000以上あるとされている器官です。構造も似ているほか、性的な刺激で充血して、ふっくらしていくといった点も男性器に似ています。
会陰
会陰は、女性だとおよそ2~3㎝ほどの長さで、膣と肛門の間を指します。性交渉時に切れて痛みを感じるというご相談も少なくはない部位です。
また、出産時に会陰切開や裂傷でダメージを負ってしまい、その後回復に時間がかかっているというお声も聞きます。
膣前庭
小陰唇とクリトリスに囲われた位置にある粘膜部分のことです。前方に尿道への開口部、後方に腟口への開口部が含まれ、膣前庭にはさまざまな分泌腺が存在しています。このため、膣前庭が乾燥すると、性交痛などの痛みが出る可能性が高まります。
また、膣前庭は粘膜なので加齢に伴い、乾燥や痛みが発生しやすい部位です。下着がこすれたり、性交渉で当たると痛みを感じるといったお悩みが出やすくなります。
スキーン腺
スキーン腺は、基本的には尿道の両側に2 つあり、その細胞構造と機能が男性の前立腺に似ていると言われる器官です。しかし、形状として存在する男性の前立腺に対して、女性のスキーン腺は未発達だったり、存在していない方もいれば、大きく発達している方もいらっしゃいます。
加えて、オーガズムの前後で性行為を潤滑にする物質をスキーン腺から分泌するとされていますが、これもまた個人差のあるものです。このようにスキーン腺は女性の性的な機能に影響を与える可能性があります。ただし、スキーン腺の正確な役割や機能については完全に解明されているものではありません。
<スキーン腺の詳しいコラムはこちらから>
女性が感じる仕組みとは?オーガズムとスキーン腺の関係について解説
バルトリン腺
バルトリン腺は0.5〜1.0cmほどの大きさで、膣口の左右に位置する一対の器官です。大前庭腺とも呼ばれ、男性器でいうところのカウパー腺に該当する器官とも言われています。スキーン腺と同様に膣の潤滑を助けるための役割を持っています。ここから分泌されるのは、透明で粘度が高い体液です。その粘度の高さからバルトリン腺に分泌液が詰まることもあります。
恥丘
脂肪で構成された部位で、恥骨のすぐ前に位置しています。男女ともに陰毛で覆われる部位ですが、女性の方が恥丘は大きいとされています。
また、性的魅力に関与する物質 (フェロモン) が分泌される部位でもあります。女性の体つきを司る女性ホルモンの働きが関連しており、閉経が近くなると女性ホルモンの分泌が少なくなるため、脂肪が減って薄くなっていきます。
まとめ
今回は女性器にまつわる知識を紹介してきました。意外にも知らない部分もあったのではないでしょうか?トラブルが起こらないように守ったり、起こっても対応できるように自身の体に詳しくなりましょう。