バイアグラのEDへの治療効果や服用する際の注意点

2023.03.22

  • 男性器形成

この記事を読んでいるあなたは

  • バイアグラにはどのような治療効果があるのか知りたい
  • バイアグラを使う注意点が知りたい
  • バイアグラを購入したい

上記のように考えているかもしれません。

この記事ではそんなあなたに「バイアグラのEDへの治療効果や服用する際の注意点」までお伝えしていきます。

バイアグラとはどのような薬か?

コラム29-1

バイアグラは、世界で初めて販売された勃起不全(以下ED)治療薬です。有効成分は、シルデナフィルで、陰茎が勃起しやすくなる効果を持ちます。もともとは狭心症の治療薬としてシルデナフィルはファイザー社にて開発されていました。
ですが、シルデナフィルには狭心症の治療効果としては期待できませんでした。代わりにわずかではあるものの、陰茎の勃起を促進させる効果が見られたことを発見します。

そこでファイザー社は、シルデナフィルをEDの治療薬へと方向転換。1998年にアメリカで「世界初のED治療薬」として、バイアグラが販売されるようになりました。

その後、有効成分の違うレビトラやシアリスといったED治療薬も販売されるようになります。しかし、現在でもバイアグラが最も有名なED治療の医薬品として知られているのは、言うまでもないことでしょう。

EDにおけるバイアグラ本来の効果

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バイアグラの治療効果は、主に2つあります。「PDE-5の抑制効果」と「血管の拡張効果」です。

効果の説明の前に勃起の仕組みを軽く説明すると、大量の血液を陰茎に送り込み、空気で風船を膨らませるように血液を陰茎へ送り込むことで、勃起を維持できるというのが勃起の仕組みです。通常、体を動かすためには筋肉を使用して、思い通りに動かしていますが、勃起の際はそれとは異なります。

ここでは上記の効果が勃起の仕組みに対して、どのように働くのか解説します。

PDE-5の抑制効果

バイアグラには勃起の妨げとなるPDE-5を抑制する効果があります。PDE-5とは、陰茎の血管拡張に必要な環状グアノシン一リン酸(以下cGMP)を分解し、勃起抑制する酵素です。このPDE-5が多くなりすぎると、海綿体の動脈を広げて勃起を促す作用を持つcGMPが不活性化。その結果、勃起に必要な血液が集まりにくくなります。

ですが、服用することでcGMPが本来通りの働きができるため、血管が拡張され、勃起へと繋がります。こうして、PDE-5を抑制することでED治療へつなげることからバイアグラは、「PDE-5阻害薬」とも呼ばれています。

血管の拡張効果

バイアグラにはcGMPの働きを助けるだけではなく、バイアグラ自体に血管を拡張させる効果もあります。陰茎へ血流が血管拡張することで血行が良くなり、陰茎海綿体内に血液が溜まり続けるためです。より多くの血液が陰茎へ集中するので、勃起しやすくなるだけでなく、維持もしやすくなるという効果も期待できます。

<EDの詳しいコラム>
ED(勃起不全・勃起障害)とは?原因と改善策やセルフケアについて

バイアグラの副作用

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薬につきものの副作用。バイアグラも副作用がないわけではありません。薬を正しく服用するためにもここでバイアグラの副作用について学んでいきましょう。

バイアグラの主な副作用

バイアグラ服用における主な副作用は以下の6点が挙げられます。

  • 顔のほてり
  • 目の充血
  • 微熱
  • 頭痛
  • 動悸
  • 消化不良

バイアグラの副作用は、バイアグラの効果である血管の拡張に起因します。目の充血や熱を感じるのは、全身の血管が拡張されることで頭部へ血液が多く流れるようになるためです。
また、末梢血管が拡張されることで頭部が圧迫されて頭痛が生じたり、あまり見られない症状ではありますが、動悸や消化不良を体感する場合もあります。

バイアグラの副作用発症率

副作用の発症率は5%〜10%程度と比較的高いものの、どれも一過性の副作用であり、バイアグラの持続時間が過ぎれば自然に症状は収まります。そのため、副作用が生じても、基本的には気にする必要はありません。

しかし、EDの治療薬としてバイアグラを服用する前に、心臓の問題を抱えている方も少なくはなく、そうした疾患と組み合わさって、重篤な副作用を招くこともあります。もし、ほてりや痛みが辛く感じるようなら、主治医に相談の上で鎮痛剤の服用や体を冷やすなどの対処をしてください。

バイアグラの正しい使い方・飲み方

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バイアグラを服用する際は、以下の3点に注意してください。

  • 性行為の1時間前に水で服用する
  • 服用前は食後2時間以上時間を開ける
  • 1日の用量と用法を守る

注意点を一つずつ見ていきましょう。

性行為の1時間前に水で服用する

バイアグラの効果が作用するまでは30分〜40分程度かかるため、性行為の約1時間前に服用します。服用する時は水またはぬるま湯にしてください。

服用前は食後2時間以上時間を開ける

胃の内容物によってはバイアグラの吸収に影響を与えます。服用前は胃の中を空腹にしておいてください。前述しましたが、水またはぬるま湯で服用するのはバイアグラの有効成分の吸収に影響を与えないためです。
また、脂肪を多く含む食事は、薬の効き始めるのが遅くなる要因となります。服用前の食事には気を付けましょう。

1日の用量と用法を守る

バイアグラを服用する際は、医師の処方に従い、正しく服用するようにしてください。用法は1日1回が基本です。用量は25mg、50mg、100mgの剤型があり、自分に合ったものを選びましょう。バイアグラを続けて服用する場合は、24時間以上の間を空けなければなりません。これを破り、短い時間で連続服用すると、体内にバイアグラの有効成分が残ったままとなり、極度の血圧低下につながります。
また、バイアグラの持続時間は4時間ほどです。上記の通り、連続した服用ができないため、バイアグラを使うタイミングには注意してください。

ED治療は、こちら

ED治療でバイアグラが使えない方

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以下の症状や疾患をお持ちの方はバイアグラを服用することはできません。

  • 心血管障害を有する・既往歴のある方
  • 循環器疾患を有する・既往歴のある方
  • 低血圧・高血圧の方
  • 重度の肝機能障害のある方
  • 網膜色素変性症の方
  • 未成年の方

バイアグラは血管に影響を与える薬であり、心臓や血管に障害のある方には処方できません。脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴があっても処方されることはありますが、基本的には処方されないと思ってください。

また、低血圧・高血圧の患者様もリスクがあるので処方されませんし、上記以外にも、処方できない条件や併用禁忌の薬が存在します。

このようにすべての男性が服用できるとは限らないため、服用には医師の判断が必要になります。そして、受診の際には申告と相談をしっかり行うようにしてください。

バイアグラを使う注意点

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バイアグラを服用する際、いくつか注意すべき事項がございます。効果を発揮する以前に、飲み方によっては危険を孕んでいたり、効果的な使い方が必要になる場合もあります。

お酒と一緒に服用しない

バイアグラを服用する際は、お酒(アルコール)は控えるようにしてください。
アルコールには中枢神経の働きを抑制する効果があり、いくら性的刺激を感じても、アルコールの作用によって陰茎への神経伝達が上手くいかず、勃起がしにくくなります。

EDの治療薬とはいえ、その性質は「陰茎の血管を広げる」ための治療薬であり、「勃起をさせる」という伝達自体なければ効果は発揮できません。
少量のお酒なら問題ないという話もありますが、可能ならば、バイアグラを服用する前のお酒は控えることをおすすめします。

グレープフルーツと一緒に服用しない

グレープフルーツやグレープフルーツジュースは、有効成分であるシルデナフィルの効果が必要以上に強くなり、望ましくない副作用を引き起こす可能性があります。
また、グレープフルーツの薬への影響は飲んでから約24時間とされています。シルデナフィルを服用している間は、副作用を避けるためにもグレープフルーツ製品の使用を控えたり、服用時に飲まないでください。

勃起には性的刺激も必要

EDの治療には、バイアグラの服用以外にも性的刺激が必要になります。バイアグラには催淫剤のような性欲を増強させる効果があると勘違いされる方もいらっしゃいますが、あくまでも勃起をさせやすくするための効果しかありません。
服用しても、勃起する要因がなければ、勃起しないままとなります。バイアグラを服用しただけではED治療になりませんので、服用する際は必ず、性行為や自慰行為もするよう心がけてください。

バイアグラの入手方法

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バイアグラの購入方法は、主に「病院・クリニックでの処方」と「ネット通販」と2通りあります。

病院・クリニックでの処方

バイアグラを購入するためには、病院やクリニックで処方してもらう必要があります。バイアグラは処方箋医薬品に分類されており、医師の処方箋をもとに薬剤師によって調合・処方されるためです。風邪薬のように、気軽にネット通販、薬局やドラックストアなどでの購入はできるものではないので、注意しましょう。
EDに悩んだ際は、病院やクリニックへ受診し、医師による診察を受けてから処方してもらってください。

ネット通販はおすすめできない

バイアグラの購入には処方が必要と紹介しましたが、実は海外のネット通販を利用し、個人輸入をすることで自由に購入もできます。

ただ、海外製品は品質の保証がされてはおらず、服用するには、大変リスクがあります。国内では50mg錠までしか承認されていないバイアグラが海外製品だと100mg錠のものまであり、効果の安全性に問題があるものも多くあるのです。

また、不純物の混入や偽造品の報告も多く、個人輸入による購入は正直おすすめはできません。
EDを知られるのが恥ずかしく思うかもしれませんが、安易にネットで購入するのではなく、病院やクリニックへ受診をし、信用のおけるバイアグラのみ服用してください。

ヴェアリークリニックでの取扱

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バイアグラは、ヴェアリークリニックでも取り扱っております。その他にもヴェアリークリニックでは、EDに有効とされる治療を用意しています。気になる方は無料カウンセリングにてご相談ください。

詳しくはこちらから

バイアグラについてのよくある質問

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保険適用はされますか?

ED治療目的とした場合、バイアグラは保険適用外となります。また、当院でお渡しする際も自費での診療です。
ですが、2022年4月からは「不妊治療」を目的とした場合のみ、保険適用とすることが承認されました。しかしながら、保険適用とするには、以下のような条件を満たす必要があります。

1) 本製剤の投与を行う医師は、原則として、泌尿器科について5年以上の経験を
有すること 。
2) 他の医療機関において不妊症に係る診療が行われている患者に対し、当該保険
医療機関から紹介を受けて本製剤を投与する場合は、紹介元の施設と連携し、必要な情報共有を行える体制を有すること。
3) 本製剤の投与に際して、関連学会が作成した勃起不全に関するガイドラインの
診断アルゴリズムに従い、勃起不全と診断された患者であること。なお、その旨
を診療録に記載すること。
4) 本製剤を投与される患者又はそのパートナーのいずれかが、本製剤の投与日か
ら遡って6か月以内に、一般不妊治療管理料又は生殖補助医療管理料に係る医学的管
理を受けていること。
5) 本製剤の投与にあたっては、その数量は、1回の診療につき、タイミング法に
おける1周期分に限り、かつ、4錠以下であること。
6) 本製剤を繰り返し投与する場合は、投与の継続期間は6か月間を目安とするこ
と。6か月を超えて投与を継続する場合は、継続の必要性を改めて検討し、必要
と判断した理由及び初回投与の年月を診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に記載
すること。なお、6か月を超えて投与を継続する場合も、その継続期間は原則と
して初回投与から1年以内とする。
7) 本製剤を保険診療において処方する場合、処方箋の備考欄に、保険診療である
旨を記載すること。
不妊治療で使用される医薬品の保険給付上の取扱いについて

 

バイアグラがED治療に保険適用が認められない理由としては、一時的に生活の質を改善する医薬品である「生活改善薬」として分類されているためです。生活改善薬は育毛剤や経口避妊薬なども該当しますが、これらの医薬品は直ちに命に関わる疾患を治療する目的としたものではありません。保険適用とはなりませんが、処方には医師の判断が必要であることには変わりなく、服用には診察を受ける必要があります。

女性にもバイアグラは効果がある?

女性には、バイアグラは効果がありません。正確には、効果が出る人もいますが、リスクを上回るメリットは研究の結果見出せませんでした。
そもそも、バイアグラは男性のED治療薬として処方されるため、女性に処方されることはありません。効果があるとはいわれていますが、興味本位からバイアグラを個人輸入し、服用しないようにしてください。

バイアグラに年齢制限はありますか?

バイアグラには年齢制限はありません。また、当院でもED治療にいらっしゃる患者様の中には、60代、70代の方も来院されます。

まとめ

コラム29-10

バイアグラは、陰茎にある血管を拡張させることでEDを治療します。顔のほてりや目の充血などの副作用はあるものの、ほとんどが一過性の副作用であり、用法容量を守ることで安全に勃起を促す効果があります。ただし、デメリット・リスクもあるので確認して、正しく服用しましょう。
また、バイアグラはヴェアリークリニックでも処方可能です。お気軽にお問い合わせください。お待ちしております。

この記事を監修した医師

ヴェアリークリニック院長

井上 裕章

医師プロフィール

東大医学部卒業後、外科専門研修を修了し、外科専門医を取得。その後、性器・生殖器官や大腸肛門を含む骨盤臓器、および下肢の疾患を専門に外科診療にあたっているうちに、下半身の美容的な悩みを抱える患者さんの相談を多く受けるようになる。しかし、下半身美容を専門的かつ総合的に診療している美容医療機関は存在せず、それぞれの分野に分かれて別個に診療されていることを知る。それでは、最善の治療が提供できないと考え、各分野の美容系クリニックでの修練を重ねたのちに、自らの骨盤臓器と下肢に対する外科治療の経験および知識を生かして、下半身に関する総合的かつ専門的な美容医療を提供するため、veary clinic を開設した。