勃起不全・勃起障害(ED)とは?原因と改善策やセルフケアについて
2023.03.15
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男性器形成
この記事を読んでいるあなたは
- 勃起不全・勃起障害(ED)についてよく知りたい
- 勃起不全・勃起障害(ED)の原因が気になる
- 勃起不全・勃起障害(ED)の予防やセルフケアがあれば知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事ではそんなあなたに、「勃起不全・勃起障害(ED)とは?原因と改善策やセルフケアについて」について解説します。
勃起不全・勃起障害(ED)とは?
「Erectile Dysfunction」を略してEDと呼ばれることが多いですが、日本語では勃起不全もしくは勃起障害とも呼ばれています。専門的に言うと、勃起不全・勃起障害(ED)は次のように定義されます。
「性交時に十分な勃起が得られないため、あるいは十分な勃起が維持できないため、満足な性交が行えない状態」
また、勃起不全・勃起障害(ED)は、
- 勃起するまでに時間を要する
- 勃起したとしても途中で折れてしまう
- 性欲があっても満足な性交ができない
などの自覚症状が現れるため、性交時に不安を抱える方もいらっしゃるでしょう。しかし、勃起不全・勃起障害(ED)は男性ならば誰でも起こりうるものであり、決して珍しいことではありません。
勃起不全・勃起障害(ED)の原因
勃起不全・勃起障害(ED)の原因は人によって異なります。ここでは、主な原因をいくつかご紹介します。
神経の障害
神経に障害や問題が生じると勃起不全・勃起障害(ED)の原因になります。通常、勃起をするためには神経の連動も必要です。勃起は、性的な刺激を受けて脳から信号を出し、勃起するように陰茎へ信号を伝達することで勃起が起こります。ですが、神経に問題や障害が発生すると伝達は阻害され、陰茎まで信号が届かなくなります。
後述する血管の障害にも言えますが、神経の障害は加齢や病気が原因で起こりやすいものです。そのため、脳出血や脊髄損傷、糖尿病などが原因で神経伝達がうまくいかず、勃起不全・勃起障害(ED)になってしまうことがあります。
また、自転車に長時間乗ったり、椅子に長時間座ったりすると、神経が圧迫されて一時的に勃起不全・勃起障害(ED)を引き起こすことがあります。日常生活の中で姿勢や休憩を工夫することも大切です。
血管の障害
血液や血流は勃起において重要な役割を果たし、その役割を阻害する「血管の障害」も勃起不全・勃起障害(ED)の原因です。本来、脳からの伝達を陰茎海綿体が受け取り、血液を陰茎に満たしていくことで勃起は起こります。ですが、血管に問題や障害があると、陰茎海綿体に必要な血液を効果的に供給できず、勃起や勃起が十分に起こらない、もしくは維持できないことがあります。
具体的には、動脈硬化、血液循環に関わる生活習慣病である高血圧、高脂血症なども勃起不全・勃起障害(ED)の原因となります。血管の老化はストレスや加齢によって促進されるため、40代以降は勃起不全・勃起障害(ED)のリスクが高まるため、日頃から生活習慣には注意を払いましょう。
心理的要因
心因性の勃起不全・勃起障害(ED)には2つの分け方があり、日常的なストレスが原因の場合と意識していないストレスが原因の場合があります。
日頃のストレス
日頃のストレスでは、下記のようなストレスがあげられます。
- 経済的な不安からくるストレス
- 仕事の不安や不満によるストレス
- パートナーとのすれ違いによるストレス
また、下記のように、性交渉の緊張、恐怖や重圧によって勃起不全・勃起障害(ED)になる方、勃起不全・勃起障害(ED)を悪化させる方もいます。
- 性交がうまくいかなかったらという不安
- 次こそは成功しなければというプレッシャー
- 性交にブランクがある
このような日頃のストレスからくるEDのケースでは、カウンセリングや薬、パートナーとのコミュニケーションを通して回復することもあります。
意識していないストレス
意識していないストレスでは、下記のような心の深いところに原因があって勃起不全・勃起障害(ED)になる方もいます。
- 幼少期のトラウマ
- 抑圧され続けた感情
- 母子分離不全
このタイプは、意識していないストレスによる勃起不全・勃起障害(ED)なので、治療の手掛かりを掴むまでに時間がかかることもあります。そのため、治療が長期化しやすく、困難になる傾向が多いです。
服用している薬
普段から服用している薬の副作用が原因で、勃起不全・勃起障害(ED)になる場合があります。
具体的には下記の通りです。
「EDを引き起こす可能性のある薬剤」
- 降圧剤
- 精神神経薬
- ホルモン剤
- 抗潰瘍薬
- 脂質異常症治療薬
- 呼吸器官・アレルギー用剤
引用元:ED診療ガイドライン
副作用による勃起不全・勃起障害(ED)を気にしすぎて、休薬や薬を変更すると治療が進まずに病状が悪化する恐れがあります。自己判断で休薬や薬の変更はせず、必ず主治医に判断を仰いでください。
勃起不全・勃起障害(ED)の原因は1つではない
先ほど、勃起不全・勃起障害(ED)の原因についてご紹介しましたが、その原因は必ずしも1つに限定されるわけではありません。複数の要因が重なり合い、複雑な状況が生じることもあります。
勃起不全・勃起障害(ED)の原因が複数になるケース
例えば、神経の問題や血流の低下が勃起不全・勃起障害(ED)の原因であった場合でも、そこに追加して性交時の緊張などから心因性の勃起不全・勃起障害(ED)が発症するケースも考えらえれます。そのため、治療の過程では両方の原因に対処する必要があり、それぞれの状況に対するアプローチが必要です。
勃起不全・勃起障害(ED)の原因特定は時間がかかることも
勃起不全・勃起障害(ED)の原因には様々であり、原因を特定するまでに時間がかかることもあります。特に本人に自覚症状がない場合は、治療が長期化するケースが多いです。原因特定までの期間は患者さんによって異なるため、焦らずに自分に合ったアプローチを検討していきましょう。
男性ホルモンの低下も勃起不全・勃起障害(ED)の原因?
「テストステロン」は男性ホルモンの一種で、男性における主要な性ホルモンです。主に睾丸(精巣)や副腎で生成されますが、女性の体内でも少量分泌されてます。ここでは、そんなテストステロンの働きや勃起不全・勃起障害(ED)との関連性についてご紹介します。
テストステロンの働き
テストステロンには、下記のような重要な役割があります。
- 男性器の成長や性欲を起こさせる
- 筋肉、骨格の成長を促す
- 体脂肪を減少させる
- 集中力や決断力を向上させる
テストステロンは外見だけでなく、内面的な男性らしさも形成し、男性らしさを司るホルモンといっても過言ではありません。より男性らしい逞しい体を構築し、ストレス処理の能力を高め、重要な意思決定を行うためにも、健康的な生活を送る上でテストステロンは必要不可欠です。
テストステロンの勃起不全・勃起障害(ED)への影響
テストステロンの減少が直接的に勃起不全・勃起障害(ED)の原因であるとは断言できません。ですが、正常な勃起機能を維持するためには、適切なテストステロンが一定量必要です。体内のテストステロンが不足する状態が続くと、勃起の度合いや持続力は低下する可能性があります。
さらに、心理的な勃起不全・勃起障害(ED)も、テストステロン不足が要因とされています。テストステロンは精神状態にも影響を与えるため、ストレスに過敏な状態が続くと、性への欲求心や性的な刺激による興奮が低下し、性に対して積極的な姿勢が消極的になることもあります。
テストステロンが減少する原因
テストステロンが減少する原因を紹介していきます。
加齢
テストステロンの分泌量は一般的に10〜20代でピークを迎え、分泌量は徐々に低下していきます。特に40代以降になると、急激な低下が見られる場合も少なくありません。テストステロン低下は、男性の更年期障害(LOH症候群)の一因にもなります。年齢を重ねると肉体的にも、精神的にも、様々な症状が出やすくなるため、心当たりがある場合には病院やクリニックへ相談してください。
過剰なストレス
日本人の男性は、勃起不全・勃起障害(ED)の発生率が世界的にも高いと言われています。仕事でのストレスや不規則な睡眠、複雑な人間関係などの精神的な負担が大きく関与しているようです。このようなストレスが長期にわたって続くと、EDや体調不良が引き起こされることがあります。テストステロンの材料である「DHEA」の生成が抑えられ、ホルモンバランスが崩れてしまうためです。体はストレスに直面した時、副腎から「コルチゾール」というホルモンを分泌します。
これはストレスから身を守るための自然な現象なので、一時的なら問題ありません。ですが、ストレス過多の状態が慢性的になると副腎は常に稼働し続けるため、徐々に疲弊していきます。その結果、腎臓から分泌されるDHEAが減少し、体内のテストステロン量も減少していきます。
テストステロンが増えると勃起不全・勃起障害(ED)は治るのか
勃起不全・勃起障害(ED)の原因はさまざまですが、体内のテストステロン量が低下している場合、その量を増やすことが勃起不全・勃起障害(ED)の改善につながるとされています。ただし、勃起不全・勃起障害(ED)の原因は1つであるとは限りません。原因が複雑に絡み合っている場合もあるので、テストステロンの量が増えても勃起不全・勃起障害(ED)の改善効果を得にくいこともあります。
テストステロン低下の目安
朝立ちの有無は、体内に十分なテストステロンの有無に関わるバロメーターにもなります。2週間のうちで1回も朝立ちがない場合は、テストステロン低下による勃起不全・勃起障害(ED)の可能性が高いと言えるでしょう。改善を希望される際は、医療機関を受診するようにしてください。
テストステロンを増やすには?
テストステロンの分泌量は、内服薬や注射などでのテストステロン補充や普段の生活習慣の改善によって大きく変化します。
具体的な方法としては以下のようなものがあげられます。
- テストステロン補充法
- 筋トレ
- タンパク質を取る
- 亜鉛やマグネシウムを適度に摂取
これらの方法は即効性を期待するものではありませんが、長期的な習慣として継続することで効果が期待できます。
勃起不全・勃起障害(ED)治療は、こちら。
勃起不全・勃起障害(ED)の自己テスト
勃起しづらいなと感じる自覚症状で自分の勃起不全・勃起障害(ED)に気づかれる方もいますが、自覚症状だけでは自身が勃起不全・勃起障害(ED)であるかの判断が難しいこともあります。ここでは、問診で答える「IIEF5」を紹介いたしますので、気軽にチェックしてみましょう。
勃起不全・勃起障害(ED)自己テスト設問
「IIEF(International Index of Erectile Function)」という、WHOで提案され、現在でも世界中で使われている検査を用いて、勃起不全・勃起障害(ED)の自己テストします。IIEFは、日本語で「国際勃起機能スコア」と訳され、診断、治療効果の有無の判定にも利用される診断方法です。
国際勃起機能スコアIIEF-5
勃起を維持する自信の程度はどれくらいありましたか?
1点:非常に低い
2点:低い
3点:普通
4点:高い
5点:非常に高い性的刺激による勃起の場合、何回挿入可能な硬さになりましたか?
0点:性的刺激一度も無し
1点:全く無しまたはほとんど無し
2点:たまに(半分よりかなり下回る回数)
3点:時々(半分くらい)
4点:おおかた毎回(半分よりかなり上回る回数)
5点:毎回またはほぼ毎回性交中、挿入後何回勃起を維持できましたか?
0点:性交の試み一度も無し
1点:全く無しまたはほとんど無し
2点:たまに(半分よりかなり下回る回数)
3点:時々(半分くらい)
4点:おおかた毎回(半分よりかなり上回る回数)
5点:毎回またはほぼ毎回性交中に性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか?
1点:極めて困難だった
2点:とても困難だった
3点:困難だった
4点:やや困難だった
5点:困難でなかった性交を試みた時に、何回満足できましたか?
0点:性交の試み一度も無し
1点:全く無しまたはほとんど無し
2点:たまに(半分よりかなり下回る回数)
3点:時々(半分くらい)
4点:おおかた毎回(半分よりかなり上回る回数)
5点:毎回またはほぼ毎回
引用元:IMPOTENCE,13(1):35,1998 より抜粋
ED自己テスト結果
チェックでの合計の点数にて判断します。結果は下記の通りです。
22~25 点 :正常
17~21 点 :軽症
12~16 点 :中等~軽症
8 ~ 11 点 :中等症
5 ~ 7 点 :重症
引用元:IMPOTENCE,13(1):35,1998 より抜粋
21点以下は勃起不全・勃起障害(ED)と判断されますが、あくまでも目安です。自覚症状が出た場合には病院やクリニックへ行って詳しい検査・診断を受けることが大切です。
勃起不全・勃起障害(ED)の症状や程度
妻だけに勃起不全・勃起障害(ED)が起こるなど特定の場合においてのみ勃起不全・勃起障害(ED)が起こる、性欲はあるけど全く勃起しない、勃起は起こるけど十分な硬さがないなどのように病状は人それぞれです。また、病状の程度により、下記のような3段階に分けられます。
軽度
大抵の性交渉において、十分な勃起ができて、かつ勃起状態を維持できる状態ですが、たまに勃起の硬さや持続が難しい状態になる場合は軽度のEDと言えます。
中等度
性交渉の際に、時々、十分な勃起ができず、持続できないことが軽度と比べると増えてきてしまいます。勃起可能な回数が減って、持続する時間も短くなる方は中度の勃起不全・勃起障害(ED)と言えます。
重度
重度の勃起不全・勃起障害(ED)は完全EDともよばれ、性交渉の際に、勃起をまったく得られないため、そもそも持続する事もできない状態は重度の勃起不全・勃起障害(ED)と言えます。
勃起不全・勃起障害(ED)の自力でできるセルフケア
日常生活で取り入れられる勃起不全・勃起障害(ED)の自力でできるセルフケアを紹介します。
精力がつく食材を取り入れる
食事は体にとって大きな影響を与えています。「亜鉛」は精が付く栄養として有名な成分ですが、その他にも勃起不全・勃起障害(ED)に対して効果的な成分は以下の通りです。
成分 | 食材 |
亜鉛 | 牡蠣、豚レバー、牛赤身肉、たまご、カシューナッツ |
シトルリン | スイカ、メロン、きゅうり、ゴーヤ |
DHA /EPA | サンマ、さば、あじ、鮭、真鯛、いくら |
タンパク質 | 生ハム、鶏ささみ、きな粉、油揚げ、パルメザンチーズ |
また、コレステロールが高いと、陰茎へ血液を送り込むための欠陥が硬化、狭窄、閉塞しやすい状態になります。上記のような食材を取り入れつつも健康的な食生活を心がけましょう。
定期的に運動する
生活習慣病予防のための運動、特に有酸素運動をする習慣を取り入れることは勃起不全・勃起障害(ED)予防でも効果的に働きます。簡単なトレーニングから始めて、継続するとより効果的です。
ただし、長時間のトレーニング、血管や神経を強く圧迫するトレーニングは勃起不全・勃起障害(ED)を悪化させる原因になりやすいので、気を付けてトレーニングしてください。
自分でできる勃起不全・勃起障害(ED)改善策
勃起不全・勃起障害(ED)には前述した原因の他に、生活習慣が原因となる場合があります。アルコールを過度に摂取や喫煙、寝不足やバランスの悪い食生活によって、勃起不全・勃起障害(ED)が発症・悪化してしまう可能性が高まるからです。ここでは、勃起不全・勃起障害(ED)の改善方法を紹介します。ぜひ、参考にしてください。
喫煙を控える
ニコチンで収縮された血管は、勃起に必要な血液が集められなくなるため、勃起に悪影響を及ぼします。個人差があるため、どれだけタバコを吸うと勃起不全・勃起障害(ED)のリスクが増加してしまうとは言い切れませんが、禁煙は勃起不全・勃起障害(ED)の治療に非常に有効とされています。
お酒を控える
適度な量の飲酒には、リラックス効果があります。
ですが、過剰に摂取してしまうと、血流が良くなって血液が陰茎に滞留できなくなったり、脳の機能を低下させて性的な感度が鈍くなったりします。
まとめ
以上、「勃起不全・勃起障害(ED)の原因や自分でできる予防策・ケアとは?」をお伝えしてきました。日本人男性にとっても勃起不全・勃起障害(ED)は身近な疾患で、勃起不全・勃起障害(ED)は生活習慣を見直すことで軽減されるため、自分のできる範囲で予防するのも大切です。
ですが、勃起不全・勃起障害(ED)は放置していても治るものではありません。勃起不全・勃起障害(ED)により男らしくなくなったのではないかと自信を失ったり、パートナー様との関係が悪化するなどの問題を抱えることもあります。気になる方は、慢性化・重症化してしまう前に、ヴェアリークリニックまでぜひ相談にいらしてください。