膣がゆるむ原因とは?ゆるむことで起こるトラブルや改善と治療方法について

2022.10.11

  • 女性器形成

この記事を読んでいるあなたは

  • 膣の役割について知りたい
  • 膣が緩む原因が知りたい
  • 膣を緩みの改善や治療方法を知りたい

上記のように考えているかもしれません。

この記事ではそんなあなたに「膣がゆるむ原因とは?ゆるむことで起こるトラブルや改善と治療方法について」までお伝えしていきます。

膣がゆるむ原因

コラム19-2

膣がゆるむ原因は、主に3つあります。

  • 女性ホルモンの低下
  • 妊娠や出産
  • 骨盤底筋群の衰え

それぞれどのようにゆるむのか、確認をしてみてください。

膣がゆるむ原因①女性ホルモンの低下

膣がゆるむ原因の1つに女性ホルモンの低下があげられます。一生を通して女性ホルモンは変動するものなので、低下する原因はさまざまです。しかし、年齢を重ねると誰にでも当てはまるが原因があります。それは閉経です。

閉経に向かう過程(更年期)で、女性ホルモンは不安定にゆらぎながら少しずつ分泌量を減らしていきます。過剰に分泌されたり、分泌が抑えられるのは、女性ホルモンを分泌する卵巣の働きが衰えるためです。肌や髪のハリツヤなどの女性らしさを関わる女性ホルモンが減ると、お顔と膣も同様に弾力やうるおいも減っていきます。程度の差はありますが、膣は乾燥して硬くなっていき、膣がゆるみへ繋がります。

膣がゆるむ原因②妊娠や出産

妊娠や出産も膣がゆるむ原因です。普段、子宮は骨盤底筋群という筋肉の集まりが支え、子宮を包み込んでいます。そして、妊娠して子宮内で胎児が育つと、その重みも支えるために骨盤底筋群は伸びてしまいます。

出産後、胎児の重みはなくなりますが、一度伸びてゆるんだ骨盤底筋群はなかなか元に戻りません。伸びたままになることで膣の締め付けにも影響が出て、膣がゆるみを自覚することがあります。

膣がゆるむ原因③骨盤底筋群の衰え

加齢による筋力の低下も膣のゆるみの原因の1つです。膣壁は骨盤の底に位置する「骨盤底筋群」が収縮することで締めたり、ゆるめることができます。ですが、加齢により筋力が低下することで、膣を締め付ける力は衰えやすくなります。さらに、子宮や膀胱などの重みを支えきれずに筋肉は伸ばされてしまうことも原因です。

また、若いうちでも運動する習慣が不足していると筋力は低下します。もちろん骨盤底筋群においても例外ではありません。骨盤底筋が十分に機能するためには、ある程度の運動も必要です。早いうちから骨盤底筋群を意識したトレーニングを習慣にすることで、年齢を重ねても膣圧の膣のゆるみが軽減されます。
また、加齢や妊娠によって運動量が低下していくと、その分の骨盤底筋群の筋肉量も著しく低下します。日常生活ではあまり使用する機会が少ない筋肉ですが、普段から鍛えておきたいですね。

膣の役割

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膣には、主に下記のような役割があります。

  • 男性器を受け入れや精子の通り道
  • 出産の際に胎児が通る産道
  • 病原体の侵入や繁殖を防ぐ
  • 月経血や膣内の老廃物を排出する

上記の「病原体の侵入や繁殖を防ぐ役割」では、膣内を酸性に保つ働きから病原体だけでなく、酸性に弱い精子を弱らせたり、死滅させてしまうため、そのままでは精子が子宮に到達しないようになっています。

ですが、エストロゲンの影響を受ける排卵日前後や、性交渉時に普段は酸性に寄っている膣内がアルカリ性に寄る時があります。それは子宮の入り口である子宮頸管からアルカリ性の体液が分泌されるためです。
膣内の体液には、精子を動きやすくし、死滅しづらい状態へ膣内を変化させることで、妊娠しやすい環境を整えたり、滑りやすくして性交しやすくする役割があります。

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膣がゆるみで起こりやすいトラブル

コラム19-3

膣がゆるくなると、主に4つの問題が生じます。

  • 性交の不満
  • 子宮脱のリスク
  • 尿漏れ
  • お湯漏れ

上記の問題は、膣がゆるくなった際に起こりうるものです。

性交時の不満

膣がゆるくなると、女性側が性交による刺激をあまり感じにくくなります。性交時にパートナーが物足りなさを感じるケースもあり、不安からパートナーとの相性が悪いと悩む方も当院へいらっしゃいます。

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膣なら(ちなら)

性交渉時に膣からおならのような音が出る場合もあります。膣なら(ちなら)と呼ばれる俗称で呼ばれていますが、膣に空気が入ることが原因で起こります。おならと違って臭いなどはありませんが、おならのような音のせいで恥ずかしさを感じたり、膣がゆるんでしまったと性交渉に集中しにくくなることもあり得るでしょう。

子宮脱のリスク

子宮脱とは、何らかの原因から子宮を支えられなくなり、子宮が体外に出てしまう症状のことです。前述のように、骨盤底筋群は膀胱や膣だけではなく子宮も支えています。筋力が低下することで子宮の位置は低下していくと、子宮は体外へ出やすくなります。

筋力の衰え始める更年期を超えたあたりから子宮脱のリスクは高くなりますが、若い方も全く子宮脱にならない訳ではありません。
下記のような普段から腹圧がかかりやすい姿勢や状態が原因で、子宮脱になる場合もあります。

  • 慢性的に咳や便秘が続いている
  • 普段から重い物を持っている
  • 肥満気味である

また、子宮脱は無症状の方が多いので、検診等で発覚し、治療に入る方もいます。子宮脱は腟炎やおりものの増加、出血などのリスクが生じるため、定期的な検診を受けるようにしてください。

尿漏れ

尿漏れは、「自分の意志とは関係なしに尿が漏れてしまうこと」と定義されています。くしゃみや椅子に座ったりなどの軽い衝撃でも尿漏れは起こりやすく、煩わしくなったり、辛い思いをされる方もいらっしゃるでしょう。

尿漏れの原因は、膀胱の筋肉を支えている骨盤底筋群がゆるみ、膀胱の締まりが悪くなるためです。骨盤底筋群がゆるむことで排尿され、締まることで排尿を抑えることができます。筋力が衰えると、この制御がうまくいかずに尿がもれるようになってしまします。

また、女性が頻尿になりやすい理由として、尿道の短さがあげれます。男性は陰茎があるために尿道も長いのですが、女性は尿道が短いため、頻尿になりやすい状態です。尿漏れの不安から外出を楽しめなくなったり、夜間の睡眠が浅くなってしまうなど、日常生活にも大きな影響を及ぼす方もいらっしゃいます。

お湯漏れ

お湯漏れとは、膣内に入ったお湯が勝手に流れてしまう現象のことです。本来なら膣の締まりによってお湯が入り込むのを防いでくれていますが、膣の締まりがゆるくなると膣内にお湯が入り込むようになります。そのまま立ち上がった時に、膣の中に入ったお湯が垂れてしまうので、銭湯などで人に見られるのを恥ずかしい人と思われる方も少なくありません。
また、ゆるみ以外にも、普段のストレスが体や心が張り詰めていると、お湯漏れは起こりやすい状態になります。

ゆるくなった膣の改善方法

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膣のゆるみを改善するには、以下の方法が挙げられます。

  • 名器形成(膣内ヒアルロン酸注射)
  • 道具のいらない膣トレーニング
  • 道具を使ったトレーニング
  • 膣縮小手術

それぞれの方法を確認して、自分に合う改善方法を選んでみてください。

名器形成(膣内ヒアルロン酸注射)

ヒアルロン酸は、皮膚の柔軟性や弾力性をサポートする保水成分であり、注入によって肌に潤いを与えてハリをもたらす働きのある成分です。安全性が高いため、美容整形でよく使用されています。

当院の名器形成では、そのヒアルロン酸を注入することで、膣のゆるみを改善することが可能です。患者様のご希望やお悩みに合わせて、ヒアルロン酸の量や質(硬さ)を決めていきます。おまかせと言われることもありますが、その際もしっかりカウンセリングした上でご提案させていただきます。
また、膣縮小手術よりも費用が安く、施術時間も短いため、気軽に試すことができる膣の改善方法と言えます。膣縮小手術は出産予定がある方には向きにくい施術であるのに対し、名器形成(膣内ヒアルロン酸注射)は出産予定や妊活の方、どの年代の方にも向いている施術です。ただし、効果の継続期間は異なり、ヒアルロン酸の効果は長くても2年〜3年ほどであるため、永続的な効果は期待できません。

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膣縮小手術

膣縮小手術とは、膣内を吸収糸で縫合し縫い縮める施術であり、膣内部を狭くする施術方法です。骨盤底筋群の筋力改善につながるわけではありませんが、物理的に狭くすることで膣圧を高めることができます。縫合部分となる箇所は色素沈着しやすい箇所であり、糸も分解して体内に吸収される素材を使用することで、手術痕が目立ちません。入院が必要ないことから他人に知られる心配も少なく、内密に膣圧の改善ができます。

こちらは前述した通り、縫合し縫い縮める施術であるため、出産予定がある方や妊活する方には向いていません。また、膣壁にメスを入れることになるので、粘膜の質を落としてしまうリスクがあります。

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道具のいらない膣トレーニング(ケーゲル体操)

膣トレーニングは、骨盤底筋群を鍛えて、膣のゆるみを改善させるトレーニングです。
主なやり方としては、

①膣や肛門を引き上げるようにゆっくり力を入れる
②5~15秒間そのままの状態を保つ
③ゆっくり力を抜く
④このサイクルを4回〜5回ほど繰り返します。
⑤呼吸は力を入れる時にゆっくり吸い、力を抜くときにゆっくり吐いてください。

膣トレーニングは場所や姿勢を選ばずできるため、どこでも隙間時間にトレーニングができます。

  • 電車の中会社のオフィス
  • テレビを見ながら
  • 寝る前に

上記のように、何かをしながらセットで膣トレーニングすることで、毎日続けやすくなります。

道具を使ったトレーニング(膣トレ)

膣圧トレーニングには、膣内にボールを入れて鍛える方法もあります。仕組みとしては握力を鍛えるハンドグリップと同じであり、ボールの抵抗によって、膣トレーニングに負荷をかけるトレーニングです。
膣に力を入れる感覚が分かりにくい方におすすめですが、膣内に挿入することに慣れていない場合、挿入時に痛みを伴うこともあります。初めてだとサイズや強さも分かりづらいので、まずは一番小さく弾力が少ない商品から試してみてください

膣のゆるみをヴェアリークリニックでチェック

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ヴェアリークリニックでは、専用の膣圧測定器にて測定が可能です。数字として正確に膣のゆるみをチェックできるので、改善をする際も目に見える形で結果が見えます。

また、ダイエットする際に体重計に乗ったり、メジャーでサイズの確認をするように、膣圧でも同じようにすることで自身の体について詳しくなったり、自信を持つこともできるでしょう。ヴェアリークリニックでは、膣圧測定のみのご相談も承っています。

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膣のゆるみ改善方法のメリット・デメリット

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膣のゆるみ改善方法には、メリット・デメリットがそれぞれあります。ここでは、前述の改善方法でのメリット・デメリットを解説しています。

メリット

  • 性交渉時の充足感を得られる
  • 感度が上がる
  • 尿漏れ予防
  • お湯漏れ予防・改善
  • 子宮脱などの骨盤性器脱の予防
  • 産前産後のゆるみ予防

クリニックでの施術の場合、早めの効果や満足度の高さが期待でき、入院も不要なので手軽に受けられます。トレーニングの場合は、場所や時間を選ばすに自由にトレーニングできるできることもメリットです。

デメリット

  • トレーニングの場合、継続しないと効果が少ない
  • 自己流でのトレーニングでゆるみが悪化する可能性がある
  • ヒアルロン酸を注入する場合、繰り返し注入が必要になる

クリニックでの施術では、ヒアルロン製剤の特性で繰り返しの施術が必要になってしまいます。トレーニングの場合は、半年近くトレーニングしないと効果が期待できません。また、トレーニングを過度に行うと骨盤底筋は緊張して凝っている状態になります。骨盤底筋はゆるくても、硬くなりすぎても機能が崩れてしまうため、やりすぎにも気をつけてください。

<膣トレについてのコラム>
膣トレとは?骨盤底筋の基礎知識や膣トレのやり方と効果について

膣のゆるみ改善には名器形成がおすすめ

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加齢や出産によって膣がゆるくなると、尿漏れや子宮脱、さらには、膣の締め付けが悪いことによるパートナー間の問題が生じます。当院では、名器形成で締め付けを良くし、性交時の快感を高める方法をおすすめしています。お湯が入るようになった、性交によって膣がゆるいと感じたら、ぜひヴェアリークリニックへ相談にいらしてくださいね。

この記事を監修した医師

ヴェアリークリニック院長

井上 裕章

医師プロフィール

東京大学医学部の卒業後は外科専門研修を修了し、外科専門医を取得。性器・生殖器官や大腸肛門を含む骨盤臓器、および下肢の疾患を専門とする外科診療にあたる中で、下半身の美容的な悩みを抱える患者さんから相談が多く寄せられるようになる。その過程で、下半身美容を専門的かつ総合的に診療している美容医療機関が存在せず、それぞれの分野に分かれて別個で診療されていることを知り美容医療の道へ。最善の治療を患者さんに提供するべく、各分野の美容系クリニックでの修練を重ねたのちに、自らの骨盤臓器と下肢に対する外科治療の経験および解剖の知識を生かし、下半身に関する総合的かつ専門的な美容医療を提供する「veary clinic」 を開院へと至る。