女性器の膣とは?その構造とゆるむ原因や改善方法について
2022.10.11
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女性器形成
この記事を読んでいるあなたは
- 膣の構造について知りたい
- 膣が緩む原因が知りたい
- 膣を緩みを改善する方法を知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事ではそんなあなたに「女性器の膣とは?その構造とゆるむ原因や改善方法について」までお伝えしていきます。
内性器とは?
内性器は以下のような構造によって構成されています。
- 膣
- 子宮
- 卵巣
膣の構造
膣とは、雌性生殖器の一部であり、体表面と子宮頸部を繋ぐ管状器官のことです。ワギナ(ヴァギナ)とも呼ばれ、構造的には筋肉でできた伸縮性の管であり、伸縮することで性交や出産が可能になります。管の長さは成人女性で約7cm〜9cmが一般的ですが、個人差があるので長さは異なります。
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子宮の構造
子宮は「子宮頸部」と「子宮体部」で構成されています。
子宮頸部は膣と子宮体部を繋ぐ部位です。妊娠中は形状が変わるため、広がる度合いによって赤ちゃんが生まれるタイミングが推定できます。
子宮体部は月経や妊娠、陣痛を司る機能を持つ部位です。受精がなかった場合は月経として体外へ排出されますが、受精がある場合には、卵巣から出た卵子が受精卵へ栄養を与え、赤ちゃんを育てる役割があります。
卵巣の構造
卵巣は、子宮の両脇にある楕円形でクルミほどの大きさの部位です。男性で言う精巣に該当し、卵巣では卵子を生成・放出します。加えて卵巣では、女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」と一部の男性ホルモンも分泌する働きがあります。
また、卵巣の周辺には「卵管采」と「卵管」がありますが、卵巣と2つの組織が直接繋がっているわけではありません。ですが、卵管采は卵子が卵巣から放出されると、そのイソギンチャクのような部位の先端が伸び、卵管へ卵子をと導きます。
外性器とは?
ここでは、外陰部(外陰)について簡単に解説しています。
大陰唇
大陰唇は小陰唇やクリトリスなどを覆う、厚い脂肪で構成された左右一対の部位です。思春期以降は、陰毛で覆われるようになります。
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小陰唇
小陰唇も左右一対で、尿道や膣開口部を守る役割を持った部位です。サイズや左右差には個人差が大きく、ヴェアリークリニックでは悩みの声を多く聞く場所でもあります。
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副皮
大陰唇と小陰唇の間にある部位とされていますが、解剖学的に副皮は存在しません。いわゆる俗称として副皮があり、小陰唇とは見分けがつきづらい場所となっています。小陰唇が肥大している際は、副皮があることも多く、切除する時は同時に切除される患者様もいらっしゃいます。
クリトリス
クリトリスは、外尿道口の上部かつ小陰唇の重なる場所に位置しています。実は、この豆粒ほどから親指ほどの部位はクリトリスのほんの一部に過ぎません。クリトリスの大部分は体内に埋まっています。
また、「クリトリスが肥大化しているかも」と相談にいらっしゃる方もいますが、クリトリス包皮のために誤解されてしまうのかもしれませんね。
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会陰
会陰は、女性だとおよそ2~3㎝ほどの長さで、膣と肛門の間を指します。性交渉時に切れて痛みを感じるというご相談も少なくはない部位です。また、出産時に会陰切開や裂傷でダメージを負ってしまい、その後回復に時間がかかっているというお声も聞きます。
膣前庭
小陰唇の内側の部分です。粘膜であることから加齢によって、乾燥や痛みが出やすいとされています。様々な分泌腺があるので、膣前庭にトラブルが出ると濡れにくくなります。
恥丘
脂肪で構成された部位で、恥骨のすぐ前に位置しています。男女ともに陰毛で覆われる部位ですが、女性の方が恥丘は大きいとされています。女性の体つきを司る女性ホルモンの働きが関連しており、閉経が近くなると女性ホルモンの分泌が少なくなるため、脂肪が減って薄くなっていきます。また、性的魅力に関与する物質 (フェロモン) が分泌される部位でもあります。
膣の役割
膣には、主に下記のような役割があります。
- 男性器を受け入れ精子の通り道としての役割
- 出産の際に胎児が通る産道としての役割
- 病原体の侵入や繁殖を防ぐために、分泌液によって酸性に保つ役割
- 月経血や膣内の老廃物を排出する役割
上記の「分泌液によって酸性に保つ役割」では、病原体だけでなく、酸性に弱い精子を弱らせたり、死滅させる働きもあるため、そのままでは精子が子宮に到達しないようになっています。
ですが、エストロゲンの影響を受ける排卵日前後や、性交渉時に普段は酸性に寄っている膣内がアルカリ性に寄る時があります。それは子宮の入り口である子宮頸管からアルカリ性の体液が分泌されるためです。
膣内の体液には、精子を動きやすくし、死滅しづらい状態へ膣内を変化させることで、妊娠しやすい環境を整えたり、滑りやすくして性交しやすくする役割があります。
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膣がゆるむ原因
膣がゆるむ原因は、主に3つあります。
- 加齢
- 出産
- 運動不足
それぞれどのようにゆるむのか、確認をしてみてください。
加齢
膣がゆるむ原因の一つは、女性ホルモンの低下です。閉経に向かっていく女性の体の中は、女性ホルモンの分泌が不安定になり、段々と女性ホルモンは低下していきます。膣がゆるく感じたり、乾燥で痛みを感じやすくなりますが、これはお顔と同じように膣も弾力やうるおいが減っていくためです。
また、加齢による筋力の低下も原因の一つです。膣壁は骨盤の底にある「骨盤底筋群」によって収縮されますが、筋力が低下することで締め付けがゆるくなります。子宮や膀胱などの重みによっても筋肉は伸ばされ、筋力の低下と共に膣壁の締め付けに影響を与えます。
出産
出産も、膣がゆるむ原因の一つです。骨盤底筋群は子宮も支えており、妊娠して胎児が育つと、その重みによって骨盤底筋群は伸びていきます。出産すれば胎児の重みはなくなりますが、一度伸びた骨盤底筋群は簡単には元に戻りません。筋肉が伸びたままになることで膣の締め付けも悪くなり、膣がゆるく感じます。
運動不足
加齢だけではなく、運動不足によっても筋力は低下します。骨盤底筋群でも、運動しないと筋力が低下するのは同じであり、筋力低下することで膣圧もゆるくなるものです。特に、骨盤底筋群は普段使う機会が少ない筋肉であるため、加齢や妊娠によって運動しなくなると、その分の筋肉量は著しく低下します。骨盤底筋群の運動不足を解消するためには、骨盤底筋群を意識したトレーニングが必要です。
膣がゆるむと起こるデメリット
膣がゆるくなると、主に4つの問題が生じます。
- 性交の不満
- 子宮脱のリスク
- 尿漏れ
- お湯漏れ
上記の問題は、膣がゆるくなった際に起こりうるものです。
性交時の不満
膣がゆるくなると、性交時にパートナーが物足りなさを感じる場合があります。
また、女性も性交による刺激をあまり感じられず、不安からパートナーとの相性が悪いと悩む方もいます。性交の快感を楽しむためなのはもちろん、パートナーとの仲を大切にするためにも、膣のゆるみを解決することは大切です。
膣なら(ちなら)
性交渉時に膣からおならのような音が出る場合もあります。膣なら(ちなら)と呼ばれる俗称で呼ばれていますが、膣に空気が入ることが原因で起こります。おならと違って臭いなどはありませんが、おならのような音のせいで恥ずかしさを感じたり、性交渉に集中しにくくなることもあり得るでしょう。
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子宮脱のリスク
子宮脱とは、何らかの原因から子宮を支えられなくなり、子宮が体外に出てしまう症状のことです。骨盤底筋群は、膀胱や膣だけではなく子宮も支えていますが、筋力が低下することで子宮の位置が低下し、体外へ出やすくなります。更年期を超えたあたりから子宮脱のリスクは高くなりますが、若い方も子宮脱にならない訳ではありません。
下記のような普段から腹圧がかかりやすい姿勢や状態が原因で、子宮脱になる場合もあります。
- 慢性的に咳や便秘が続いている
- 普段から重い物を持っている
- 肥満気味である
また、子宮脱は無症状の方が多いので、検診等で発覚し、治療に入る方もいます。子宮脱は腟炎やおりものの増加、出血などのリスクが生じるため、定期的な検診を受けるようにしてください。
尿漏れ
尿漏れは、「自分の意志とは関係なしに尿が漏れてしまうこと」と定義され、くしゃみや椅子に座ったりなどの軽い衝撃でも尿漏れは起こります。尿漏れの原因は、膀胱の筋肉を支えている骨盤底筋群がゆるみ、膀胱の締まりが悪くなるためです。
また、女性の尿道は男性と比べ短いため、その分男性よりもトイレが近いといわれており、尿漏れのほかに頻尿になりやすい状態といえます。尿漏れで不安から外出を楽しめなくなったり、夜間の睡眠が浅くなったりするなど、日常生活にも大きな影響を及ぼす方もいらっしゃいます。
お湯漏れ
お湯漏れとは、膣内に入ったお湯が勝手に流れてしまう現象のことです。本来なら膣の締まりによってお湯が入り込むのを防いでくれていますが、膣の締まりがゆるくなると膣内にお湯が入り込むようになります。そのまま立ち上がった時に、膣の中に入ったお湯が垂れてしまうので、銭湯などで人に見られるのを恥ずかしい人と思われる方も少なくありません。
また、ゆるみ以外にも、普段のストレスが体や心が張り詰めていると、お湯漏れは起こりやすい状態になります。
膣のゆるみをヴェアリークリニックでチェック
ヴェアリークリニックでは、専用の膣圧測定器にて測定が可能です。数字として正確に膣のゆるみをチェックできるので、改善をする際も目に見える形で結果が見えます。
また、ダイエットする際に体重計に乗ったり、メジャーでサイズの確認をするように、膣圧でも同じようにすることで自身の体について詳しくなったり、自信を持つこともできるでしょう。ヴェアリークリニックでは、膣圧測定のみのご相談も承っています。
ゆるくなった膣の改善方法
膣のゆるみを改善するには、以下の方法が挙げられます。
- 名器形成(膣内ヒアルロン酸注射)
- 道具のいらない膣トレーニング
- 道具を使ったトレーニング
- 膣縮小手術
それぞれの方法を確認して、自分に合う改善方法を選んでみてください。
名器形成(膣内ヒアルロン酸注射)
ヒアルロン酸とは、皮膚の柔軟性や弾力性を支えてくれる保水成分であり、注入することで潤いを増し、張りを生み出す作用があります。肌の美容整形に使われることの多い成分であり、安全性の高いヒアルロン酸を注入することで、膣圧を高めることが可能です。当院では、患者様のご希望やお悩みに合わせて、ヒアルロン酸の量や質(硬さ)を決めていきます。おまかせと言われることもありますが、その際もしっかりカウンセリングした上でご提案させていただきます。
また、膣縮小手術よりも料金が安く、施術時間も短いことから気軽に試しやすい膣の改善方法と言えるでしょう。膣縮小手術は出産予定がある方には向きにくい施術であるのに対し、名器形成(膣内ヒアルロン酸注射)は出産予定や妊活の方、どの年代の方にも向いている施術です。ただし、効果の継続期間は異なりますが、ヒアルロン酸の効果は長くても2年〜3年ほどであり、永続的な効果は期待できません。
膣縮小手術
膣縮小手術とは、膣内を吸収糸で縫合し縫い縮める施術であり、膣内部を狭くする施術方法です。骨盤底筋群の筋力改善につながるわけではありませんが、物理的に狭くすることで膣圧を高めることができます。
縫合部分となる箇所は色素沈着しやすい箇所であり、糸も分解して体内に吸収される素材を使用することで、手術痕が目立ちません。入院が必要ないことから他人に知られる心配も少なく、内密に膣圧の改善ができます。こちらは前述した通り、縫合し縫い縮める施術であるため、出産予定がある方や妊活する方には向いていません。また、膣壁にメスを入れることになるので、粘膜の質を落としてしまうリスクがあります。
道具のいらない膣トレーニング(ケーゲル体操)
膣トレーニングは、骨盤底筋群を鍛えて、膣のゆるみを改善させるトレーニングです。
主なやり方としては、
①膣や肛門を引き上げるようにゆっくり力を入れる
②5~15秒間そのままの状態を保つ
③ゆっくり力を抜く
④このサイクルを4回〜5回ほど繰り返します。
⑤呼吸は力を入れる時にゆっくり吸い、力を抜くときにゆっくり吐いてください。
膣トレーニングは場所や姿勢を選ばずできるため、どこでも隙間時間にトレーニングができます。
- 電車の中会社のオフィス
- テレビを見ながら
- 寝る前に
上記のように、何かをしながらセットで膣トレーニングすることで、毎日続けやすくなります。
道具を使ったトレーニング(膣トレ)
膣圧トレーニングには、膣内にボールを入れて鍛える方法もあります。仕組みとしては握力を鍛えるハンドグリップと同じであり、ボールの抵抗によって、膣トレーニングに負荷をかけるトレーニングです。膣に力を入れる感覚が分かりにくい方におすすめですが、膣内に挿入することに慣れていない場合、挿入時に痛みを伴うこともあります。初めてだとサイズや強さも分かりづらいので、まずは一番小さく弾力が少ない商品から試してみてください。
<膣圧測定の詳しいコラム>
自分の「しまり」を数字で知ろう!膣圧測定について
膣のゆるみ改善方法のメリット・デメリット
膣のゆるみ改善方法には、メリット・デメリットがそれぞれあります。ここでは、前述の改善方法でのメリット・デメリットを解説しています。
メリット
- 性交渉時の充足感を得られる
- 感度が上がる
- 尿漏れ予防
- お湯漏れ予防・改善
- 子宮脱などの骨盤性器脱の予防
- 産前産後のゆるみ予防
クリニックでの施術の場合、早めの効果や満足度の高さが期待でき、入院も不要なので手軽に受けられます。トレーニングの場合は、場所や時間を選ばすに自由にトレーニングできるできることもメリットです。
デメリット
- トレーニングの場合、継続しないと効果が少ない
- 自己流でのトレーニングでゆるみが悪化する可能性がある
- ヒアルロン酸を注入する場合、繰り返し注入が必要になる
クリニックでの施術では、ヒアルロン製剤の特性で繰り返しの施術が必要になってしまいます。トレーニングの場合は、半年近くトレーニングしないと効果が期待できません。また、トレーニングを過度に行うと骨盤底筋は緊張して凝っている状態になります。骨盤底筋はゆるくても、硬くなりすぎても機能が崩れてしまうため、やりすぎにも気をつけてください。
<膣トレについてのコラム>
膣トレとは?骨盤底筋の基礎知識や膣トレのやり方と効果について
膣のゆるみ改善には名器形成がおすすめ
加齢や出産によって膣がゆるくなると、尿漏れや子宮脱、さらには、膣の締め付けが悪いことによるパートナー間の問題が生じます。当院では、名器形成で締め付けを良くし、性交時の快感を高める方法をおすすめしています。お湯が入るようになった、性交によって膣がゆるいと感じたら、ぜひヴェアリークリニックへ相談にいらしてくださいね。