膣縮小手術の効果と問題点
2022.05.02
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女性器形成
この記事を読んでいるあなたは
- 膣縮小手術ってどんな手術?
- 膣縮小手術の効果について知りたい。
- 膣縮小手術の問題点について知りたい。
上記のように考えているかもしれません。
膣のゆるみと膣縮小手術
当院でも多く寄せられる相談の一つに、「膣がゆるい」というものがあります。
これは、ご自身の体感やパートナーから指摘によって気がつくことも多く、実際にゆるいかどうかは、ご自身の体感に加えて、医師による診察、客観的な指標として膣圧の数値、といったもので評価することが可能です。
評価の結果、実際にゆるいということが分かり、またそれがご自身の中で問題になった場合は手術で治療ができます。
それが今回ご紹介する、「膣縮小手術」です。
膣縮小手術の注意点
この手術は、膣粘膜にメスを直接入れ、たるんだ膣壁を縫い縮める手術です。
効果は半永久的に続くため、この術式をご希望される方も多いのですが、非常に重要な注意点が2点あります。
伸縮性は改善されない
まず一つ目は、縫い縮めることにより、膣内腔は確かに狭くなりますが、膣粘膜の本来持っている伸縮性は失われたままであるということです。
例えていうなら、伸びた輪ゴムを切って短くし、それをまた円を作って結んでいるような状態が作られていることになります。
膣内腔が狭くなることで出産時に影響が出る可能性があるため、将来的に出産する可能性のある方には行ってはいけない手術です。
また、伸縮性が失われているままなので、性交痛の新たな原因になる可能性もあります。
手術前より悪化する可能性がある
もう一つが、粘膜面のなめらかさといった質感は治療前よりも悪化してしまう可能性があります。
膣縮小手術は、粘膜及びその下層にある筋層に傷をつける手術です。
創傷治癒の過程で、瘢痕化や萎縮を起こしてしまい、乾燥しやすくなったり、湿潤性が失われ、こちらも性交痛の原因になる可能性があります。
膣縮小手術まとめ
以上のことから、膣縮小手術はそれなりに知られている手術ではありますが、適応は非常に限られた手術だと知っておく必要があります。
- 今後出産をする可能性がある
- 粘膜の質を落としたくない
こうした方には、お勧めできない手術となっていますので、ヒアルロン酸に代表される注入治療をご検討ください。