ハイフで膣を引き締め⁉原理と効果について

2022.03.03

  • 女性器形成

この記事を読んでいるあなたは

  • ハイフについて知りたい
  • ハイフを膣に当てるとどうなるか知りたい
  • 膣萎縮の治療法が知りたい

上記のように考えているかもしれません。

この記事ではそんなあなたに「膣ハイフについて」をお伝えしていきます。

ハイフとは?

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じわじわと認知が広がりつつある「膣ハイフ」ですが、実はよく分からないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、膣ハイフの原理や効果、どういったお悩みを解決できるかを解説したいと思います。

ハイフの歴史

まず、ハイフがどのような機械であるかを簡単に説明します。

ハイフは「High Intensity Focused Ultrasound」の頭文字をとって、HIFUとスペリングされている言葉で、日本語に訳すと「高密度焦点式超音波療法」と言います。

もともとハイフは美容目的で開発された訳ではなく、医療の現場で生まれた医療機器でした。

現在では前立腺ガン用の医療機器として、合併症の少ない治療法と言われております。

それらの治療法が2000年代から美容分野で応用され、美容用の機械として広く知られるようになりました。

日本では顔のたるみに対しての施術が最も有名かもしれません

ハイフの原理と効果

さて、肝心なハイフの原理ですが、虫眼鏡で太陽光を集める際に発生する熱エネルギーで紙が焼けることに似ています。

超音波を1点に集中させ、一次的に発生する高熱によって目的の組織のみを破壊することで、治療効果を得ることが目的です。

ハイフの特徴は、

  • 高温のエネルギーを目的の部位のみに届けられる
  • 照射する深さを変えられる

の2点にあります。
これには患者様へ以下のような効果があります。

  • 皮膚にはダメージを与えない
  • コラーゲン活性を活発化させる

ハイフはピンポイントで熱エネルギーを当てられるため、皮膚表面にほとんど影響を与えずに脂肪組織破壊を起こすことが可能です

また、ハイフは従来のレーザーや光治療・高周波RF治療では届かない深さまで熱エネルギーが届きます

これらの効果により、フェイスラインを引き締め効果が期待できるので、たるみ改善の治療として日本でも多く行われています。

美容医療の更なる応用「膣ハイフ」

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膣の若返り

さらにハイフを膣へ応用したものが、今回ご紹介する「膣ハイフ」です。

膣ハイフは、膣内に照射しても粘膜表面を傷つけずに、粘膜表面の奥の粘膜下層、筋層と呼ばれる層へエネルギーを与えます

お顔と同様にコラーゲン活性を活発化させるため、湿潤性を高める効果が見込め、膣粘膜が引き締められるので、大袈裟に言うならば、膣が若返るとも言えるでしょう

<膣圧測定の詳しいコラム>
自分の「しまり」を数字で知ろう!膣圧測定について

膣ハイフがおすすめの方

では、膣ハイフでは具体的にどういったお悩みを解決できるか?

最も良い適応は、「加齢により女性ホルモンの分泌量が低下し、膣萎縮が起きている方」です。

膣萎縮が生じると、下記のような状態が発生しやすくなります。

  • 膣内の粘膜のハリや弾力がなくなる
  • 乾燥、痒み、においなどが出やすくなる

ですが、こうしたトラブルは、お顔のたるみのように年齢を重ねれば誰にでも起こりえます

若い頃と比較して、変化を感じている方で、なるべくお手軽に治療を受けたいという方には良い適応になる可能性がある治療です。

当院での治療について

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レーザーや高周波治療などの類似治療もありますが、筋層にまで届くのは今のところハイフだけと言われています。

一方で、ハイフは「効果の程度と持続期間は限定的」であるというところが弱点ではあります。

ハイフより高い効果と持続を求める方には、膣内にヒアルロン酸を直接注入するという方法がおすすめです

当院でも取り扱っておりますので、気になる方はぜひ一度ご相談ください。

この記事を監修した医師

ヴェアリークリニック院長

井上 裕章

医師プロフィール

2014年東京大学医学部卒業。外科専門研修を修了、外科専門医を取得を経て、2019年に東京大学医学部附属病院にて勤務。性器・生殖器官や大腸肛門を含む骨盤臓器、および下肢の疾患を専門とする外科診療に従事してきた。その過程で下半身の美容的な悩みを抱える患者さんから相談が多く寄せられるようになるが、下半身美容を専門的かつ総合的に診療している美容医療機関が存在しないことを知る。自身で立ち上げるために各分野の美容系クリニックにて修練を重ねたのち、2022年に「veary clinic」 を開院。自らの骨盤臓器と下肢に対する外科治療の経験および解剖の知識を生かしつつ、最善の治療を患者さんに提供している。日本外科学会認定外科専門医。日本外科学会、日本性機能学会、日本フットケア・足病医学会、日本大腸肛門病学会に所属している。