乳輪縮小術とは:こんな人におすすめ・注意点と術後ケア紹介

2025.09.29

  • バスト形成

この記事を読んでいるあなたは

  • 産後、授乳後に乳輪が大きくなった気がする
  • 乳輪と乳房のバランスを整えたい

上記のように考えているかもしれません。

女性にとって「バスト」の形・バランスは、自信や日常生活の快適さにも大きく関わるものです。中でも乳輪の大きさや見た目に不満を感じる人は少なくありません。そういった方々に対し、乳輪縮小術という選択肢があります。本記事では、「乳輪縮小とは何か」から手術方法、リスク、費用を解説します。

乳輪縮小とは何か

乳輪縮小術とは、乳輪(areola)の直径や面積を物理的に小さくする美容手術のことを指します。具体的には、余分な皮膚を切除して縫合することで、乳輪の大きさを形・バランスに応じて縮めるものです。乳輪縮小は美容目的が主ですが、見た目のバランスを整えたり、自身の身体に対するコンプレックスを解消することで、心理的なメリットも期待されます。

乳輪が大きくなる原因

乳輪が大きくなる原因は複数あり、人によって複合的です。主な原因を以下にまとめます。

胸の大きさとのバランスの問題

胸(バスト全体)が小さいと、乳輪が相対的に大きく見えることがあります。逆にバストが大きければ乳輪も大きくなる傾向があります。

乳輪縮小術の種類・方法

乳輪縮小術には複数の手術方法があり、患者さんの乳輪の大きさ・色・希望する縮小量・形状などによって最適な方法が選ばれます。以下に代表的な手術方法を紹介します。

乳頭周囲法(内側法)

乳輪外周法(外側法)

放射状切開法

それぞれのクリニックでは、患者の乳輪の大きさ・形・色・希望される縮小量・左右差などを細かく聞いた上で、どの方法が最適かを判断します。安全性・見た目の自然さ・術後の回復などをトータルで考えることが重要です。

メリット

乳輪縮小術には、見た目の改善以上のメリットがあります。以下に主な効果を整理します。

  • 見た目のバランスの調和
     乳房(バスト全体)との比率が整うと、バストがより美しく見えます。
  • コンプレックスの解消/心理的な自信
     乳輪の大きさが気になっていた人は、人前で胸を見せることに遠慮が生じることも。 手術後にはそうした心理的負担が軽くなることが多いです。
  • 左右差の補正
     左右で乳輪の大きさや形に差がある人には、手術で整えることができます。
  • 授乳機能を残すことが可能
     この手術では授乳機能に調節的な影響は出ません。

デメリット・リスク・注意点

手術には必ずリスクが伴います。乳輪縮小術を検討する際には、以下の点をよく理解・相談することが重要です。

  • 傷跡の残り方
     縫合線の位置・切除範囲・縫合技術・皮膚の代謝によって、傷跡の目立ち具合が変わります。色素の濃さ・肌の質・年齢なども影響します。
  • 色素変化や色の境界の目立ち
     特に外周法などでは、乳輪と乳房の肌の境界がくっきりすることがあり、グラデーションが損なわれる可能性があります。
  • 後戻り(縮小した乳輪が少し広がる)
     時間の経過で皮膚が伸びたり、元の状態に戻ろうとする力が働くことがあります。
  • 感覚障害・乳頭の機能への影響
     切除範囲や縫合の影響で、乳頭周囲の感覚が鈍くなることがあります。
  • 痛み・腫れ・内出血
     術後数日は痛みや腫れ、内出血が生じるのは通常の現象ですが、程度には個人差があります。
  • 感染や縫合不良
     術後のケアが不十分だと感染や縫合不良のリスクが上がります。
  • 色素沈着・傷跡の盛り上がりなどの予期せぬ合併症
     特に肌の色が濃い人・アトピー肌・敏感肌の人などで起こりやすい。時間をかけて落ち着くこともあります。
  • コスト・回復期間(ダウンタイム)の負担
     手術費用・通院・ケア用品など、時間とお金がかかります。日常生活への制限が一定期間生じる可能性があります。

こんな人におすすめ

  • 乳輪の大きさがバストのバランスに対して気になる人
  • 授乳後や年齢変化で乳輪の伸び・広がりを感じている人
  • 見た目のコンプレックスが強い人
  • 左右差(乳輪の大きさ・形)があることが気になる人

向いていない・慎重になるべき人

  • まだ乳房の成長や変化が予想される若年層(思春期後期など)
  • 重い持病がある・傷の治癒が遅い体質やケロイド気味の肌質の人
  • 皮膚の色素が非常に濃い・アレルギー体質などで傷跡の色素沈着が懸念される人
  • 金銭的・時間的にコストがかかることを受け入れられない人

まとめ

乳輪縮小術は、見た目やバストのバランス、コンプレックスの解消など、多くのメリットをもたらしてくれる美容手術の一つです。しかし、方法による違い・術後のリスク・費用などを十分に理解し、自分の希望(縮小量・傷跡など)と照らし合わせて担当医とよく話し合うことが成功の秘訣です。

もし手術を決断するなら、信頼できるクリニック・専門医を選び、施術前のカウンセリングで納得できる具体的な診断とプランを提示してもらいましょう。術後のフォロー体制も重視してください。

あなたがこの情報を元に、自信を持って選択ができるようになることを願っています。

この記事を監修した医師

北村 珠希

2001年に東京慈恵会医科大学医学部を卒業後、同大学附属病院に勤務。2008年より大手美容外科に在籍し、2010年からは銀座みゆき通り美容外科にて診療に従事してまいりました。 日本形成外科学会認定専門医および日本美容外科学会(JSAS)専門医の資格を有し、国際形成外科学会にも所属。さらに、ボトックスビスタ・ジュビダームビスタ各種認定医として、注入治療にも幅広い知識と技術を備えております。 形成外科・美容外科の両面から、患者様一人ひとりに適した安全で自然な美しさを提供することを大切にしております。