射精障害とは?射精ができない原因となるマスターベーション方法や改善・治療について

2023.07.05

  • 男性器形成

この記事を読んでいるあなたは

  • セックスでの射精がうまくいかない
  • パートナーを安心させたい
  • 射精できるように治療したい

上記のように考えているかもしれません。

この記事ではそんなあなたに、「射精障害とは?射精ができない原因となるマスターベーション方法や改善・治療について」について解説します。

射精障害とは

コラム29-3

射精障害とは、射精に関して問題がある状態のことを指す、性機能障害の一種です。勃起自体はできますが、

  • 射精のタイミングが悪い
  • オルガズムを感じても精液が出ない
  • 精液量が減少している

といった問題が生じ、性行為の障害となっています。

射精障害の病状

コラム31-3

射精障害はED(勃起不全)と同じ性機能障害の一種であり、どちらも代表的な性機能障害といえます。ここではそんな射精障害にはどのような症状があるのか、詳しく解説します。

膣内射精障害

膣内射精障害とは、女性の膣内では射精ができなくなる症状です。膣内射精障害は感覚的な問題であり、マスターベーションの頻度が多い人ほど発症しやすいと言えます。
マスターベーション(自慰行為:オナニー)による射精には問題がないものの、3つの理由から性行為での射精が難しくなります。

  • 刺激に慣れ過ぎて、膣の刺激では物足りない
  • 特定の姿勢でしか射精できない
  • 性行為による緊張

刺激に慣れ過ぎて、膣の刺激では物足りない

普段から強い刺激に陰茎がなれてしまうと、女性の膣では刺激が物足りなくなり、性行為をしても射精が難しくなります。いくら性行為で腰を振っても、普段と違う刺激と動作で射精がしにくくなるためです。陰茎を強く握って手を動かしていたり、床オナニーなど刺激のあるマスターベーションを繰り返している方は力の加減に気をつけましょう。

特定の姿勢でしか射精できない

特定の姿勢での「マスターベーションに慣れ過ぎてしまっている」ことが原因で膣内射精が難しい方もいらっしゃいます。足をピンと伸ばしたままでのマスターベーションを例にあげますが、この姿勢で実際の性行為で射精をしようと思ったら騎乗位くらいしかないでしょう。より良い性生活のためにもマスターベーションをする際は、実際の体位でもできる姿勢で射精してみてください。

性行為による緊張

女性や性行為に慣れていないことで緊張してしまい、射精ができない場合もあります。射精の前である勃起を起こすには、副交感神経が優位であることが重要です。交感神経が優位になっていると、勃起が起こりづらくなります。その状態が一層緊張を招いてしまうため、リラックスできる環境や雰囲気作りを心がけてみてください。緊張を和らげると副交感神経が優位になるので、勃起しやすくなるでしょう。

早漏・遅漏

早漏とは、すぐに射精してしまう状態で、逆に遅漏は射精するまでが遅い状態を指します。射精が早いか遅いかだけで一見すると問題がなさそうに思えますが、早漏と遅漏は性行為の満足度に大きな影響があるのです。早漏だと、パートナーが満足していないのに性行為が終わってしまい、逆に遅漏だと、いつまで経っても射精せずパートナーが疲れてしまいます。性行為に対する不満が不和の原因となる場合も珍しくはありません。

また、どちらの場合も心理的要因が問題となりやすいです。他にも、早漏なら脳への伝達が早すぎる過敏性の問題、遅漏なら不適切な自慰行為による刺激に対する慣れの問題が考えられます。早漏に関しては、日本人の約3.5人に1人の割合とも言われており、EDと並ぶほど、悩みを抱える人は多くいらっしゃいます。

逆行性射精

逆行性射精とは、精液が体外へ放出されず、逆に膀胱内に流れてしまう状態のことを指します。本来なら射精は、射精時に逆流を防ぐために膀胱頸部が閉じます。ですが、何らかの原因から開いたままとなり、膀胱内に精液が逆流することで射精量が減少してしまうのです。

主な原因として、前立腺手術などがあげられ、基本的には薬による治療が行われます。他にも、糖尿病や脊髄損傷をした場合などにも逆行性射精は認められることもあります。また、逆行性射精精液が逆流しすぎて全く射精せず、不妊症を疑う場合もあります。その場合は、オルガズム後に尿のサンプルを確保し、精液が多量に含まれているかどうかで、逆行性射精と判断します。

無射精子症

無射精子症とは、精液内に精子が確認できない状態のことを指します。精子は受精するのに必要なものであり、精子の含まれていない精液が、いくら膣内に入ったとしても妊娠することはありません。そのことから無射精子症は、不妊の最大の原因として問題視されています。

無射精子症は、大きく2種類に分けられ、それぞれ原因や治療の仕方は変わってきます。

  • 閉塞性無精子症
  • 非閉塞性無精子症

妊娠を可能とするためには、無精子症の検査が必要になります。

マスターベーションによる射精障害の原因

コラム28-5

射精には勃起が必ず必要と思う方もいらっしゃるでしょう。ですが、勃起せずとも射精は可能です。しかし、そうした癖がつくと勃起状態での射精が難しくなります。ここでは、不適切なマスターべションについて解説します。
※一部俗語的な表現が含まれていますが、インターネットなどでよく見られるワードなので、そのまま使用します。

床オナ

床オナは、床を使用するマスターベーションの一種です。手を使わず、床などの固いものに陰茎を押し付け、その圧迫感で射精します。この時に得られる快感は、膣の中の刺激と異なるものです。そのため、性交渉の際に女性器に挿入しても快感を得にくくなり、射精へ至り辛くなります。

また、床オナは半勃起状態を維持しつつ射精するので、完全に勃起した状態での射精が困難になります。勃起しなければ射精はできないのでは?と思われるでしょうが、実はそうではありません。加えて、亀頭が最も刺激を感じやすくなるのは、半勃起での状態です。完全に勃起した状態だと亀頭への刺激は鈍り、快感を感じられにくくなります。それが癖になると性交渉の際に挿入が難しく、できたとしても膣内での射精ができないという状況になってしまうのです。

陰茎を握る強度

強く陰茎を握ってマスターベーションするのもよくありません。床オナと同様に強すぎる刺激での射精習慣は、膣内での射精を困難にさせます。ですが、逆に弱い刺激でマスターベーションだと、今度は早漏になりやすくなります。マスターベーションの際は、強すぎず弱すぎない強さを心がけましょう。

足ピン

足ピンは、マスターベーションの際に下半身に力を入れながら、足をピンと伸ばしながら射精することです。

このマスターべションがよくないと言われる理由は、

  • 力が入った状態での射精
  • 性交渉で一般的な体位ではない

上記のようになります。力が入ったことが快感のスイッチとなっているため、その体勢にならないとオーガニズムを感じにくくなってしまうのです。また、性交渉にて足をまっすぐにする姿勢は、女性主導の騎乗位くらいでしょう。男性主導での体位を取りにくく、騎乗位以外での射精が難しくなる可能性もあります。

射精障害を放置するデメリット

コラム29-9

射精障害を放置すると様々なデメリットが生じます。

男性不妊

よく話し合い、子供を作らないのも一つの選択ではあります。ですが、将来的に授かりたくなった場合に困ることもあるでしょう。困り事の1つに、性交渉による妊娠を困難にしてしまうことがあげられます。膣内で射精ができないと人工授精などの治療が必要になるため、費用面でも心理面でも負担が大きく、辛い思いをされるカップルは少なくはありません。

また、逆行性射精の病状では精液量が少なくなります。そのため、射精ができたとしても受精する確率が低く、こちらも負担が大きくなりがちです。

EDになる

射精障害になると、次第にEDにもなるリスクが高くなります。射精障害を負い目に感じることで、男性としての自信が失われてしまうためと言われています。もともと男性器は繊細な動きで成り立っています。そのため、不安や緊張から心因的なEDを併発する可能性があり、男性不妊へと繋がりかねません。

加えて、EDになると精子は陰嚢に満たされる状態が続き、新たな精子が作られにくくなります。およそ3日で精嚢に精子は満たされますが、満たされた状態が続くと着床率も下がるため、妊活にも影響が出ます。蓄えられている精子の質が次第に低下し、運動能力を失っていくことが原因です。

パートナーとの関係悪化

恥ずかしさから自身の状態を言い出せずに、パートナーとの関係が悪化する場合もありえます。パートナーさんの中には性行為が上手くいかないことで「私のせいかも?」、「女性として魅力が足りない?」と真剣に悩まれる方もいて、お互いに苦しい思いをされるカップルもいらっしゃるでしょう。セックスレスや出産後の不和につながることもあり、射精障害はパートナーシップにおいても深刻な問題です。

射精障害の治療方法

コラム21-4

性行為の問題となる射精障害の治療方法ですが、正しく治療することで改善も目指せます。中には、普段の生活を見直すだけの治療法もあるので、ここを参考に治療を検討してみてください。

マスターベーションの改善

射精障害の治療には、マスターベーションの改善が効果的です。前述の通り、射精障害では不適切なマスターベーションが原因となっている場合があります。

主な改善ポイントは3つです。

  • 弱い刺激に慣れる
  • オカズはパートナーを想像する
  • マスターベーションの回数を減らす

射精障害の原因は、強い刺激に慣れてしまうことですので、弱い刺激でも射精できるようにしましょう。強いグリップの使用や床オナニーなどはせず、刺激の弱いグリップを愛用するほか、段々と弱くできるトレーニング用のメンズカップも効果的といえます。

また、マスターベーションをする際は、刺激的な映像や過激な妄想ではなく、パートナーを想像としてください。興奮要素も性行為に近づけることで、より勃起が持続するようになります。

薬物療法

逆行性射精や無射精症の場合だと、マスターベーションを正しても射精障害は改善されません。神経系や抗がん剤治療による副作用などが原因になるため、服薬治療も検討しましょう。
場合によっては、服薬治療のみでは改善が見込めず、手術が必要になることもあります。早漏には抗うつ薬が効果的であり、処方には受診による検査が必要です。適切な治療をするためにも、まずは専門の医師に相談をしてください。

セックスカウンセリング

セックスカウンセリングとは、性行為に関した悩みを、心理的にサポートする施術方法です。一般的なカウンセリングと基本的には同じであり、性行為に特化した内容と思ってください。射精障害の原因は心理的な場合も多く、悩みを打ち明けることで改善する場合があります。そうでなくても、専門家によるアドバイスは効果的であり、射精障害の治療に役立ちます。射精障害を恥ずかしく思うかもしれませんが、勇気を出して相談をしてみてください。

射精障害についてまとめ

コラム8-3

射精障害になると、パートナーとの性交渉がしにくくなります。自信を失うことでEDになるリスクや男性不妊となる可能性もあるでしょう。また、射精障害は自然に完治しないこともあるので、自分で改善することが難しいと感じたら、専門機関で受診、もしくはセックスカウンセリングをして、射精障害の治療を目指していきましょう。

この記事を監修した医師

ヴェアリークリニック院長

井上 裕章

医師プロフィール

東京大学医学部の卒業後は外科専門研修を修了し、外科専門医を取得。性器・生殖器官や大腸肛門を含む骨盤臓器、および下肢の疾患を専門とする外科診療にあたる中で、下半身の美容的な悩みを抱える患者さんから相談が多く寄せられるようになる。その過程で、下半身美容を専門的かつ総合的に診療している美容医療機関が存在せず、それぞれの分野に分かれて別個で診療されていることを知り美容医療の道へ。最善の治療を患者さんに提供するべく、各分野の美容系クリニックでの修練を重ねたのちに、自らの骨盤臓器と下肢に対する外科治療の経験および解剖の知識を生かし、下半身に関する総合的かつ専門的な美容医療を提供する「veary clinic」 を開院へと至る。