産後のセックスレスおすすめ治療法や体に起こる変化について解説
2023.06.12
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フェムテック
この記事を読んでいるあなたは
- セックスレスについて知りたい
- 産後セックスレスの原因について知りたい
- 産後セックスレスの改善方法を知りたい
上記のように考えているかもしれません。
この記事ではそんなあなたに「産後のセックスレスおすすめ治療法や体に起こる変化について解説」までお伝えしていきます。
産後のセックスレスとは
まずセックスレスとは、性行為が一定期間行われていない状態のことを指します。セックスの頻度は夫婦によって異なりますが、一般的には「1ヶ月以上セクシュアル・コンタクトがない状態」を定義としています。
この「セクシュアル・コンタクト」というのは、パートナーとの性的な触れ合いという意味でキスやペッティングも含まれます。つまり挿入をしてなくても、お互いが満足してる場合はセックスレスとは言えません。
産後セックスレスになる主な原因は、以下のとおりです。
- 時間や体力に余裕がない
- 子どもがいてその気になれない
- 出産を機になんとなく
特に産後は育児に追われ「セックスどころではない」と感じる夫婦も多いようです。しかし「1ヶ月以上していないから不仲」というわけではなく、レスでも仲の良い夫婦もいるので気にしすぎないようにしましょう。
産後セックスレスになりやすい原因
セックスレスになる要因は「マンネリ化」や「年齢の影響」など様々です。なかでも多くの夫婦が頭を抱える問題が、出産をきっかけとなるレス化でしょう。
ここでは、出産を経験した女性が悩みがちなセックスレスの原因を3つ紹介します。
- ホルモンバランスの変化による性欲低下
- 子育てによる疲労で余裕がない
- デリケートゾーンの痛み
産後セックスレスになりやすい原因を知り、対策をしていきましょう。
ホルモンバランスの変化による性欲低下
出産前はセックスに積極的だった女性でも「産後は気が乗らない」と気持ちに変化が出やすいものです。出産をきっかけに性的な気持ちに変化が出ている場合は、女性ホルモンが影響している可能性があります。
女性ホルモンは妊娠期に量が増える特徴があり、産後になると急激に分泌が減少します。産後ホルモンバランスの量が変化することで、出やすい症状は以下のとおりです。
- 性欲の低下
- 不眠
- 気分の落ち込み
このような状態でセックスを求められても、気持ちに答えることは難しいでしょう。とはいえ、個人差はありますが、産後3ヶ月〜半年が経つとホルモンバランスが正常に戻っていくので心配しすぎないようにしましょう。
子育てによる疲労で余裕がない
産後は、回復していない状態ですぐに赤ちゃんのお世話に追われるため、体力面も精神的にもヘトヘトになります。なれない育児で「休む暇がない」「余裕がない」という状態になる人も多いでしょう。
特に乳児期の赤ちゃんは、夜でも頻繁に授乳をする必要があるので、睡眠が細切れになりがちです。また夜泣きの対応や夜間のオムツ替えもあり、しばらく朝までぐっすり寝れない日が続く人もいらっしゃるかもしれません。
このような疲弊している状態でセックス求められても断る日が続き、やがてはセックスレスに発展する夫婦もいます。育児による疲労が原因でセックスを再開できていない場合は、まず母体を休めることを優先しましょう。
デリケートゾーンの痛み
産後は、帝王切開や会陰切開の傷があります。それらの傷が完治しても「痛かったらどうしよう」と恐怖心を覚える方もいらっしゃるでしょう。ですが、痛みや恐怖心のある状態でセックスをしても、膣が濡れづらいため性交痛が出やすくなります。
また、相手を気遣う気持ちから、セックス中に痛みを我慢してしまうと以下の問題に発展してしまう可能性があるので注意しましょう。
- 痛みが悪化する
- セックスに嫌悪感がわく
- 性欲が低下する
このような問題に発展すると挿入ができなくなり、セックスレスになることもあります。デリーケートゾーンの痛みが気になり、気乗りしない場合は焦らないことが肝心です。
産後セックスレスに影響する体の変化
産後のお母さんの体は、すぐに妊娠前の体型に戻るわけではありません。妊娠前と比べて「体つきが変わった」「デリケートゾーンに違和感がある」などと悩む女性は多いのではないのでしょうか。
ここでは、産後セックスレスに影響しやすい体の変化について以下3つの項目で紹介していきます。
- 体型が戻らない
- 緩みが気になる
- 痛みで濡れない
産後セックスレス気味の方は、ぜひ参考にしてみてください。
体型が戻らない
妊娠中に増えた体重が戻らずに「自分の体形に自信が持てない」とお悩みの女性は多いことでしょう。0ヶ月〜2歳までのお子さんをお持ちのママを対象にしたゼクシィ会員1637人が回答したアンケートによると、半数が10キロ前後体重が増えている結果が出ています。
体重の増減に個人差はありますが、妊娠前に比べて体のラインが変わり、妊娠線や胸の形が気になる方もいるようです。自分の体型にコンプレックスがあると「見られたくない」と消極的な気持ちになりやすいため、セックスに誘われても躊躇するようになります。
その結果、夫婦の関係が気まずくなり「いつの間にかセックスレスになっていた」という夫婦もいるようです。産後の体型に自信が持てない場合は、軽い筋トレやストレッチを行うようにすると「自分を見てもらいたい」という気持ちが出てくるかもしれません。とはいえ産後は無理せず、体調と相談しながら少しずつ体を動かしてみましょう。
緩みが気になる
産後、多くの女性がデリケートゾーンの緩みに悩まされます。セックスをしたくても、夫の反応が気になり怖くてできない人もいるでしょう。
産後に起こる膣のゆるみの原因は「骨盤底筋」と呼ばれる筋肉が大きく関係しています。お母さんが赤ちゃんを外に出す際に、骨盤底筋は大きなダメージを受けます。ダメージによって靭帯などが傷つくと、膣の緩みにもつながるだけでなく、尿漏れにも発展する可能性があります。
こうしたダメージ由来の膣のゆるみは時間がたてば徐々に回復しますが、中には完全に戻らない人もいます。膣が緩むと自分に自信が持てず、セックスレスの原因になりやすいでしょう。
痛みで濡れない
産後、セックスを再開したものの「デリケートゾーンが痛い」「傷が開いたら怖い」と感じる女性はたくさんいます。出産により性交痛が起きる主な原因は、以下のとおりです。
- 授乳期間でエストロゲンが減少し、うるおい不足になる
- 開陰切開や帝王切開の縫合跡がひきつる
- 傷が完治しておらず痛む
- 出産の経験による恐怖心
- セックスに嫌悪感が出る
産後の1ヶ月健診で会陰の傷が治っていても、デリケートゾーンに違和感を感じることがあります。傷が気になり濡れにくくなると、擦れて余計に痛みを感じてしまうので気をつけましょう。
産後のセックスレスを防ぐ対処法
一般社団法人日本家族計画協会家族計画研究センターが実施した「20〜49歳の婚姻関係にある男女を対象にしたセックスに関する調査結果」によると、約半数の人がセックスレスであることが分かっています。2人に1組はセックスレスになっているので、今は心配されていない方も他人ごとではないかもしれません。
そこで本章では、セックスレスになりやすい産後にできる対処法を以下4つの項目で紹介します。
- 挿入を目的にしない
- 夫婦の時間をつくる
- 潤滑ゼリーを使う
- 美容クリニックに相談する
セックスレスの夫婦は年々増加傾向にあるので、対策をしておきましょう。
挿入を目的にしない
産後の体は、出産前と比べて別のものになっているため「挿入が怖い」と感じることは自然なことです。もし会陰切開や帝王切開の傷が気になる場合は「挿入にこだわらないセックス」を試してみてはいかがでしょうか。中には「挿入しないと意味がない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、キスやペッティングなどの性的なスキンシップだけでも愛情表現はできます。
また、セックス中はリラックスすることも感じるためには重要です。夫婦で体を労わり合い、相手を思いやる気持ちがあれば心が満たされ、いずれセックスでもリラックスできるでしょう。環境などを2人で整えるために話し合うことも産後のセックスレス解消に大切になってきます。
夫婦の時間をつくる
子どもが生まれると毎日の生活リズムが「子ども中心」になります。例えば「子どものお世話で手一杯」「夫は仕事で帰宅が遅い」といった状態が日常化すると、すれ違いが増えてセックスレスに繋がってしまうでしょう。
セックスレスを防ぐためには、なるべく夫婦だけの時間を取ることです。産後の夫婦時間の作り方は、以下を参考にしてみてください。
- 夫婦で会話するように意識する
- 都合を合わせてお出かけをする
- 一緒の趣味をつくる
「子どもを預けるのは気が引ける…」と罪悪感を抱く人もいますが、夫婦関係が良好になれば子どもにもプラスの影響を与えます。また同じ趣味を作ることで、自然と2人の時間が増えてコミュニケーションも取りやすくなります。夜は疲れてぐったり寝てしまう日も多いかと思いますが、余裕があるときはセックス以外での夫婦時間をつくるように意識してみてください。
潤滑ゼリーを使う
産後はホルモンバランスの変化の影響で、セックス中に膣が濡れにくいといったことも起こりえます。母乳を作るために欠かせない「プロラクチン」というホルモンの分泌量が増えるため、性欲が低下し膣の分泌液がされにくくなるためです。産後の濡れにくい状態を解決する方法の1つに、潤滑ゼリーを使用する方法があります。潤滑ゼリーに期待できる効果は、以下のとおりです。
- 膣のうるおい不足の解消
- かゆみの緩和
- 性交痛の軽減
女性の体はデリケートなので、膣が水分不足の状態で無理やりセックスをすると痛みを招いてしまいます。痛みでセックスへの不安感が煽られると、セックスレスの原因にもなるでしょう。産後は夫婦で相談し、潤滑ゼリーなどのサポートアイテムを活用してみてはいかがでしょうか。
美容クリニックに相談する
潤滑ゼリーなどのサポートアイテムを使用してもセックス中に「痛みがある」という場合は、婦人科クリニックに相談してみましょう。婦人科で性交痛の原因が分かれば、その原因に合う治療法を受けることができます。
もし、セックスにおいて下記のような症状がある場合は、婦人科クリニックを受診してみてください。
- 頻繁に痛む
- 激しい痛みがある
- 何日も痛みが残る
セルフケアを行っても改善しないことも多いので、早期に改善する為にもまず医師に相談することが解決の近道になります。人に相談しづらいデリケートゾーンの悩みは1人で抱えやすく、放置しているとセックスレスの原因にもなりかねません。産後デリケートゾーンの悩みがある方は、専門のカウンセラーや医師に相談してみましょう。
産後セックスレスの治療法
産後のセックスレスは、多くの夫婦が悩んでいます。自己判断によるセルフケアなどで解決しない場合は、婦人科クリニックの治療を試してみてはいかがでしょうか。ここでは、産後のセックスレスでお悩みの方におすすめする3つの治療法について紹介します。
- 名器形成(膣ヒアルロン酸注射)
- 膣縮小術
- インティマレーザー
産後のコンプレックスを解決したい方は、ぜひ検討してみてください。
名器形成(膣ヒアルロン酸注射)
名器形成(膣ヒアルロン酸注射)は、膣壁にヒアルロン酸を注入し、ふっくらと潤いのある環境へ改善する治療です。産後、以下の悩みを抱えている方におすすめです。
- 膣が乾燥している
- 弾力やハリがない気がする
- 尿漏れが起こる
- ゆるみを夫に指摘された
膣のゆるみが気になる場合、ヒアルロン酸を膣内に注入することで膣壁をボリュームアップできます。出産後の広がった膣が狭くなるため、セックスレス対策として有効です。
また、膣が狭くなることで感度も上がり、セックスに積極的になれるでしょう。出産や授乳で膣に不快感を感じている人は、ぜひ検討してみてください。
膣縮小術
膣縮小術は、出産や加齢によって広がった膣のサイズを調整する手術です。膣のハリや締まりを改善し、性的な快感を向上させることが主な目的とされています。ただし、今後出産を考えている人は、適応にならない場合もありますので、クリニックでよく相談してください。
一般的な膣縮小術の手順は、以下のとおりです。
- 局所麻酔または全身麻酔をする
- 組織を切除する
- 切除または削除された組織を縫合する
個人差はありますが、一度受ければ膣のサイズダウンを実感しやすい手術です。
また、膣のサイズが物理的に小さくなることで、雑菌が入り込むといったリスクも軽減できます。メスを使用することに抵抗がある方もいるかと思いますが、手術中は麻酔が効いてから行われるので術中の痛みは少ないです。術後は、医師のチェックを受けて問題がなければ、その日のうちに帰宅できます。
インティマレーザー
インティマレーザーとは、出産や加齢などで緩んだ膣の引き締めに効果が期待できるレーザー治療です。レーザーで膣内の粘膜に熱を加え、膣を収縮させます。粘膜の表面には刺激を与えないので、膣内に傷ができる心配はありません。また、レーザーの設定を変えれば、小陰唇や大陰唇の乾燥などの悩みにアプローチも可能です。
様々なデリケートゾーンの悩みにアプローチできるインティマレーザーは、特に以下のような悩みがある方におすすめです。
- 腟のゆるみ
- 尿もれをする
- お風呂のお湯が腟に入る
- 性交痛がある
- 黒ずみやニオイが気になる
インティマレーザーは、デリケートゾーンの治療方法のなかでもダウンタイムが少ないため、初めての方でも気軽に受けられる治療法の1つです。産後セックスレスにお悩みの方は、一度相談してみてはいかがでしょうか。
※当院では、インティマレーザーの取り扱いはありません。
産後のセックスレスは前向きに乗り越えよう
今回は、産後のセックスレスに関する悩みや解決策について紹介しました。
そもそもセックスレスとは「性的な触れ合いが一定期間行われていない状態」のことです。つまりキスやペッティング、手をつなぐなどの行為でお互いが満足して入れば、セックスレスとは言えません。
セックスレスを防ぐ対処法としては、夫婦時間を増やしたり、潤滑ゼリーなどのサポートアイテムの活用がおすすめです。なかなか改善が見られない場合は、ヴェアリークリニックへぜひご相談ください。