デリケートゾーンの黒ずみ予防対策から自宅でのセルフケアの方法まで紹介!
2023.06.05
-
フェムテック
この記事を読んでいるあなたは
- デリケートゾーンが黒ずむのはなぜ?
- 黒ずみが出るメカニズムが知りたい
- デリケートゾーンの黒ずみは治療できるの?
上記のように考えているかもしれません。
この記事ではそんなあなたに「デリケートゾーンの黒ずみ予防対策から自宅でのセルフケアの方法まで紹介!」までお伝えしていきます。
デリケートゾーンの黒ずみについて
顔や手などのパーツと比較すると、デリケートゾーンは何度も目にする場所ではないかと思います。ここでは、デリケートゾーンやデリケートゾーンの黒ずみについて取り上げています。
デリケートゾーンとは?
デリケートゾーンは、主に外陰部やその周辺のことです。具体的には、Vライン(ビキニライン)、Iライン(性器の両サイド)、Oライン(肛門周り)を指しています。
デリケートゾーンの特徴
デリケートゾーンには、他の部位と比較して下記のような特徴があります。
皮膚が薄い
デリケートゾーンの皮膚は、まぶたよりも薄いということをご存知でしょうか?薄くて伸びやすいまぶたが「0.6ミリ」とされていますが、デリケートゾーンはさらに薄く「0.08〜0.16ミリ」と言われています。
※Z. Ya-Xien, T. Suetake, H. Tagami, Number of cell layers of the stratum corneum in normal skin-relationship to the anatomical location on the body, age, sex and physical parameters, Arch Dermatol Res 291, 555-559, 1999
ナプキンなどで摩擦が多い
デリケートゾーンは、ナプキンを始めとする生理用品や下着の着用で摩擦が多い部位です。トラブルは多岐にわたり、当院でも様々な相談が寄せられます。
通気性が悪くて蒸れやすい
デリケートゾーンは、汗やおりものなどの分泌物があり、通気性があまり良くありません。このため、蒸れや湿気がたまりやすく、これが不快感やかゆみの原因になることがあります。
複雑な構造で汚れやすい
デリケートゾーンは複雑な構造をしており、多くのしわや隙間があります。このため、汚れがたまりやすく、清潔を保つことが重要です。
デリケートゾーンの色
デリケートゾーンは、新生児〜第二次性徴を迎える頃までの間、他の皮膚と近い色であることがほとんどです。このため、デリケートゾーンの理想の色を考える時、多くの方が色素沈着のない皮膚に明るいピンク色の粘膜を思い浮かべることでしょう。
しかし、第二次性徴を迎えると、デリケートゾーンの色は変化し、黒ずみは次第が目立つようになります。日本人の外陰部はある程度色素沈着があるのが一般的で、後述するホルモンや生活習慣で変化する部位でもあります。
また、外陰部の色は人種によっても異なります。例えば、欧米人に多い白色人種はメラニンが少ないため、思春期以降も外陰部がピンク色をしています。一方、黄色人種である日本人はメラニンが多いため、成人女性でピンク色であることは稀です。
デリケートゾーンの黒ずみの治療
外陰部の黒ずみはセルフケアで悪化を抑えることはできても、完全にキレイにすることはできません。デリケートゾーンの色素沈着にアプローチし、本来の色を目指すには、クリニックの美容施術があります。デリケートゾーンの黒ずみ治療には以下のものがあります。
ピンクインティメイト
ピンクインティメイトは、デリケートゾーンの色素沈着の改善を目指した医療用ピーリング剤です。外陰部だけでなく、乳輪や乳首、ワキなどのデリケートな部位の黒ずみの改善はもちろん、使用部位の引き締めも図れます。
敏感な部位への使用を想定しているため、肌に優しく刺激が少ないのが特徴です。他のピーリング施術のように、肌に赤みが出たり、皮むけが起きたりすることがなく、ダウンタイムがほぼありません。
ピンクインティメイトの主な成分は以下のものがあります。
- クロロ酢酸:肌に活力与えながら、優しくピーリング
- コウジ酸:メラニン色素の生成を抑えて、黒ずみを改善
- バイオ刺激因子:皮膚が本来持つ自然治癒力を高める
- ビサボロール:抗炎症成分。メラニン色素の生成も阻害作用もある
ピンクインティメイトは、VIOなど黒ずみを改善したい部位に塗布した後、数分おいてから拭き取ります。施術効果を高めるために、1回の施術で薬剤の塗布と拭き取りを数回繰り返します。
週1回の施術を4回ほどで黒ずみ改善効果を感じる方が多いです。以降は、月1回の頻度を目安に施術を重ねていただくと、肌本来の白さを維持しやすくなります。
小陰唇縮小手術
小陰唇肥大の影響で小陰唇に摩擦や炎症がある場合、小陰唇縮小手術によって黒ずみや痛みが改善されます。
その他にも、
- 小陰唇の大きさやたるみ、また、左右差が気になる
- 汚れやニオイが気になる
- きつい下着を履くと痛む
- 排尿時に尿が飛び散ってしまう
上記のような不便を改善したい方におすすめです。
レーザー治療
外陰部の色素沈着のある部分にレーザ―を照射して黒ずみの改善を目指します。デリケートゾーンは皮膚や組織が敏感であるため、以下のレーザーを使用することが多いです。
- インティマレーザー
- ピコレーザー
インティマレーザーはデリケートゾーン専用のレーザーで、主に小陰唇のヒダの色素沈着の黒ずみ改善を期待できます。外陰部のように粘膜様の皮膚に使用できますが、太ももの付け根などの色素沈着は他のレーザーを使います。
ピコレーザーはメラニン色素を粉砕することで、黒ずみを改善するレーザーです。通常のレーザーのように熱エネルギーによってメラニン色素を破壊するわけではないので、周りの組織へのダメージを抑えられます。一方、黒ずみへの効果に差が均一でなく、色ムラになることもあります。
シスペラ
シスペラは、システアミンという成分が配合されている美白クリームです。システアミンは、メラニン産生の4つの過程を阻害する作用があるため、ハイドロキノンよりも美白効果が高いと注目されてます。また、高い美白効果がありながらも、母乳にも豊富に含まれている安全性の高い成分です。
シスペラは顔だけでなく、デリケートゾーンやわきの黒ずみ改善目的でも使用できます。使い方はシスペラを塗布した後、15分置いてから洗い流します。シスペラはスキンケア用品で肌を整えた後や、メイクをしている肌にも使えますが、洗顔直後の肌は刺激を感じることがあるので、1時間ほど待ってから塗ります。
シスペラは美白クリームなので、医師がデリケートゾーンの肌の状態を確認した後処方し、ご自宅でのセルフケアに使用していただきます。レーザー治療やピンクインティメイトなど、クリニックでの施術と併用することでより高い効果を期待できます。
黒ずみのメカニズム
黒ずみは、「メラノサイト」から作られる「メラニン」の影響が原因です。ここでは、前述したメラニンにも触れつつ、黒ずみのメカニズムについて解説します。
メラニンとは
メラニンは、皮膚のもっとも深い層である「基底層」に存在するメラノサイトと呼ばれる細胞から生成される物質です。主に肌の色を決定し、髪や皮膚を紫外線などから守る役割を果たしています。このメラニンは、黒ずみやシミの原因となるため、メラニンを悪いもののように思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、メラニンは紫外線の影響から肌を守るため、メラノサイトはメラニンを生成して、お肌全体に分布させます。この結果、日焼けのような色素沈着が生じ、肌が濃くなることがあります。
メラニンの過剰分泌
日焼けであれば、お肌の色の濃さは一時的なものであることが多いですが、黒ずみはなぜお肌に残り続けてしまうのか?そこには、メラニンの過剰分泌が影響しています。通常であれば、ターンオーバーで排出されるため、メラニンが生成されても問題になりません。
ですが、ターンオーバーで追いつかないほど、メラニンが過剰に分泌されてしまうとメラニンがお肌に蓄積していきます。例にあげると、過剰な日光にさらされるなどがあげられ、適切な紫外線対策が大切です。
ターンオーバーの乱れ
ターンオーバーの乱れも前述の通り、黒ずみに影響してきます。しかし、下記のような原因によってこのターンオーバーが乱れることがあります。
- 加齢
- 睡眠不足
- ストレス
- 乾燥
- 便秘
お肌のターンオーバーの乱れが出るようになると、メラニンの排出が難しくなります。こうして排出されないメラニンはそのまま皮膚の中にあり続け、色素沈着となってしまうのが黒ずみのメカニズムです。
デリケートゾーンの黒ずみができる原因
デリケートゾーンは、様々な要因により黒ずみが起こりやすい部位です。デリケートゾーンが黒ずみを起こす要因には以下のものがあります。
ホルモンバランスの変化
前述の通り、第二次性徴を迎えるとホルモンバランスが変化すると、デリケートゾーンは黒ずむようになります。これは女性ホルモンの一つであるエストロゲンが増加し、黒ずみの要因であるメラニンの分泌量が増えるためです。
加えて、デリケートゾーンはその他の部位と比較して、メラノサイトが活発になりやすい部分でもあります。そのため、女性ホルモンが活発になりやすい妊娠や出産の時期は、デリケートゾーンが黒ずむ傾向があるのです。また、この現象はデリケートゾーン以外にも、乳輪や脇なども同様に影響を及ぼすことがあります。
摩擦や炎症
皮膚や粘膜は継続的に摩擦を受けると、皮膚を保護するためにメラニン色素の産生が促進されやすくなります。特に外陰部は下着や衣類、生理用品などにより外部からの摩擦を受けやすい部位です。また、そうした刺激によって接触性皮膚炎など炎症状態になりやすい部位でもあります。炎症が起こると肌内部にメラニンが蓄積されやすく、色素沈着の原因となります。
さらに、小陰唇が大きめの方はヒダへの摩擦が重なることで、小陰唇に色素沈着を起こしやすい状態です。痛みを感じる方も少なくはなく、辛い思いをされる方も多くいらっしゃいます。
陰部の過剰な洗浄
デリケートゾーンの黒ずみの原因となりやすいのが、陰部を強く洗い過ぎることです。外陰部は複雑な形状をしているため、汚れが残りやすく、臭いが発生しやすくなっています。そのため、汚れや臭いの原因を取り除こうと、強く擦って洗う方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、そうした行為はデリケートゾーンにとって悪影響を生じることがあります。摩擦刺激が重なることでデリケートゾーンに黒ずみが続きやすくなるため、そっと泡で洗うように心がけることが大切です。
生理用品による蒸れとかぶれ
月経時に使用する生理用品の使い方を誤ると、外陰部の黒ずみが悪化する可能性があります。生理用品が肌に合わなかったり、長時間使い続けたりすると、小陰唇などにかぶれや炎症が起こり、色素沈着を引き起こす原因となります。
VIOのムダ毛自己処理
デリケートゾーンの黒ずみの原因となりやすいのが、VIOのムダ毛の処理方法です。日本人女性は、海外の女性ほどVIOの毛をしっかり処理する習慣が少ないといわれているものの、最近ではデリケートゾーンのムダ毛を処理する女性も増えています。
カミソリによる自己処理は手軽にできますが、皮膚の角質まで削ぎ落してしまうので、肌への刺激となり、大陰唇に色素沈着が起こる原因になります。
また、カミソリによる処理の際、角質の削除だけでなく、毛の断面も鋭くなり、新しい毛が成長する際に肌の中に向かって突き刺さることがあります。これが炎症を引き起こし、結果として肌の色素沈着につながるのです。
デリケートゾーンの黒ずみ予防対策
生活習慣により濃くなった外陰部の黒ずみは、原因を見直すことで改善を目指せます。デリケートゾーンの黒ずみの悪化を防ぐ予防方法は以下になります。
締め付けの強い下着を避ける
デリケートゾーンの黒ずみを防ぐには、締め付けの強い下着を避けるようにしましょう。サイズに合わない下着や衣類を着ると、こすれやによる摩擦が生じて色素沈着が起こりやすくなります。
女性の場合、ぴったりしたショーツを着ることが多いですが、下着のデザインを見直すと、デリケートゾーン付近の摩擦を抑えられます。最近では、女性でもボクサー型のデザインの下着もあり、太ももの付け根の黒ずみを改善するのにも役立ちます。
外陰部は優しく洗う
外陰部を洗う時は、強く擦りすぎないように洗いましょう。汚れ残しによる臭いが気になる場合は、ゴシゴシ洗うよりも優しくていねいに洗うことを意識した方が汚れが落ちやすくなります。また、膣はおりものが分泌されているため、女性器には自浄作用があります。そのため、本来強く洗う必要はありません。
肌に合った生理用品を使う
外陰部に黒ずみが生じている場合は、生理用品が肌に合っているか確認しましょう。人によっては生理用品が肌に合わないために、かぶれや炎症が生じて黒ずみを引き起こすことがあります。
また、肌に合う生理用品を使っていても、適切な間隔で交換しないと、かぶれたり炎症を起こしたりすることがあります。経血をそのままにすると雑菌が繁殖しやすくなるためです。外陰部を清潔に保つためにも、生理用品を正しく使うことが大切です。
VIO脱毛を受ける
デリケートゾーンの黒ずみが気になる方は、VIO脱毛を受けるのも1つの方法です。VIO脱毛には、サロン脱毛とクリニックのレーザー脱毛がありますが、そもそも脱毛は医療行為であるため、基本的には医療機関で施術を受けるのが適しています。
また、VIOのムダ毛は太く濃いので、サロン脱毛だと施術を重ねても、なかなか脱毛が終わらないことがあります。クリニックのレーザー脱毛は照射のパワーが強いため、サロン脱毛よりも少ない回数で脱毛を完了できます。
デリケートゾーンの黒ずみに対する自宅でのセルフケア
外陰部の黒ずみは自宅でセルフケアをすることもできます。すでにある色素沈着を完全には消すのは難しいですが、黒ずみが悪化するのを防ぐのに役立ちます。
市販の専用のクリームを使う
外陰部や太ももの付け根の黒ずみが気になる人は、市販の専用クリームを塗るのもよいでしょう。市販のクリームには美白サポート成分や保湿成分が含まれています。自宅でのセルフケアの際、デリケートゾーンやその周囲の皮膚のコンディションを整えることで、黒ずみの悪化を抑えるのに役立ちます。
ただし、市販の専用クリームは医薬品ではないため、有効成分の濃度が薄めになります。すでにあるデリケートゾーンの黒ずみを完全に消すというよりも、濃くならないようにするための使用になります。
デリケートゾーン用の石鹸を使う
ついつい外陰部を強く洗い過ぎてしまう方は、デリケートゾーン用の洗浄剤を使うのもよいでしょう。デリケートゾーン専用の石鹸はpHが弱酸性に調整されており、普通の石けんではヒリヒリしてしまう方も使用可能です。外陰部のような敏感な皮膚を優しく洗うことができるだけでなく、製品によっては保湿成分も含まれているので、外陰部の皮膚をバリア機能を整えるのにも役立ちます。
まとめ
小陰唇など外陰部の部位によっては、女性ホルモンの分泌にともなう色素沈着があります。その一方で、生活習慣によりデリケートゾーンへの摩擦刺激が加わったり、かぶれが続いたりすると、黒ずみが濃くなることがあります。外陰部のデリケートゾーンの悪化を避けるために、生活習慣を工夫したり、セルフケアをしたりすることもできますが、色素沈着を完全に消すことはできません。
当院では、ピンクインティメイトや小陰唇縮小手術などで外陰部の色素沈着の改善を目指した施術も行っています。気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。