ダーマペンとは?肌への効果、回数やメリット・費用・効果的な薬剤との組み合わせを解説

2023.06.01

  • 治療機材

この記事を読んでいるあなたは

  • ダーマペンとは何かを知りたい
  • ダーマペンの効果を知りたい
  • ダーマペンに組み合わせられる薬剤が知りたい

上記のように考えているかもしれません。

ダーマペンとは

コラム2-2

ダーマペンとは、髪の毛よりも細い超極細針で皮膚に穴を開け、その回復過程で肌の悩みを解決に導く医療機器です。肌の悩みに応じて、針を刺す深さを調節できるので、小じわ・ニキビ跡・毛穴の開き・くすみなど色々な肌トラブルに対応できます。

ダーマペン4について

通常、ダーマペンは「ダーマペン4」による施術を指します。ダーマペン4はシリーズの中でも最新のダーマペンです(2023年5月時点)。ダーマペン3と比較すると、以下の点が改良がされています。

  • 極細針が12本から16本へ増加
  • 1秒間に1300個の刺入が1930個へ増加
  • 自動バイブレーション機能により痛みにも配慮

ダーマペンの施術を行っている多くのクリニックでは、ダーマペン4を使用しています。初めてダーマペン施術を受ける人だけでなく、前のバージョンのダーマペン施術を受けたことがある方も、ダーマペン4を試してみるのもよいでしょう。

ダーマペンの仕組み

ダーマペンの効果は、体が本来持つ自然治癒力を活用することで得られます。肌に傷ができると自然に傷が塞がるように、ダーマペンもこの修復力を利用した治療法です。極細針で肌表面に穴を開けると、体が傷を修復しようとする仕組みが働き、真皮層の弾性組織である「コラーゲン」と「エラスチン」を作る「線維芽細胞」が活性化します。
また、ダーマペンは肌の状態に合わせて針の刺入深度を調節するので、セルフケアだけでは治せない肌の悩みにもアプローチが可能です。
肌の悩みごとの針の刺入深度は以下になります。

  • 0.5㎜(表皮):小じわやたるみ
  • 1.0~2.0㎜(基底層):シミなどの色素沈着、凹凸のあるニキビ跡、肌のエイジングケア
  • 2.0~3.0㎜(真皮層):毛穴の開き

また、ダーマペンは有効成分や美容成分入りの薬剤を組み合わせることもできます。ダーマペンで肌に穴を開けることで、真皮層まで薬剤成分が届きやすくなり、薬剤効果をより発揮することも可能です。

ダーマペンの効果やメリット

コラム18-6

ダーマペンで効果が期待できる肌の悩みには以下があります。

小じわ改善

ダーマペンで引き出された自然治癒力により、小じわの改善を目指します。
小じわは肌の乾燥や紫外線によるダメージで起こる、肌の浅い部分にあるしわです。ダーマペンで線維芽細胞の働きが活発になると、コラーゲンやエラスチンの産生が増えます。そのため、施術部位の肌が全体的にふっくらするので、小じわが目立ちにくい肌へ導きます。

毛穴の開きを改善

ダーマペンは毛穴の開きにもアプローチできます。毛穴の開きは、過剰な皮脂分泌により毛穴の出口の皮膚が炎症を起こし、すり鉢状にすり減っている状態です。肌のターンオーバーやセルフケアでは治りにくいですが、ダーマペンによりコラーゲンの産生を促すことで、毛穴が目立たない肌を目指せます。

ニキビ跡改善

ダーマペンはクレーター肌などのニキビ跡の改善を目指します。ニキビ跡は、ニキビの炎症により周りの皮膚組織が損傷し、傷跡になっている状態です。ダーマペンによりコラーゲンの産生を促すと肌がふっくらするので、ニキビ跡による凹みを目立たなくさせることができます。

シミ・くすみ

ダーマペンで肌に傷をつけると、自然治癒力とともに肌のターンオーバーが活発化します。肌の新陳代謝を高めることで、シミの原因であるメラニン色素が排出しやすい状況になり、シミやくすみのない肌を目指せます。

肌のハリ低下

ダーマペンでつけた肌の傷が修復過程の中で、コラーゲンの産生が増えると、施術部位の肌のハリが向上します。肌のキメが整ったり、たるみの改善を目指せるので、肌質改善や肌のエイジングケアをしたい人にも適しています。

毛孔性苔癬

ダーマペンは顔の肌の悩みだけでなく、毛孔性苔癬など体の皮膚にも行えます。毛孔性苔癬は過剰な皮膚の角化によって起こります。ダーマペンで肌のターンオーバーが促進することで、肌のブツブツができにくくなります。

ダーマペンの特徴

コラム16-3

肌の悩みに対する美容施術は色々ありますが、ダーマペンは以下のメリットがあります。

痛みが少なめ

ダーマペンの針は細いので、施術時の痛みにも配慮しています。施術前には麻酔クリームを塗布するので、施術中に痛みによる不快を感じることはほとんどありません。

ダウンタイムが短め

ダーマペンは肌に針を開けるため、ダウンタイムがあります。ダウンタイムの長さは針の刺入深度によって異なりますが、2日〜7日程度です。細い針を使用しているので、ダウンタイム中の痛みや腫れも軽い傾向があります。

細かい部分に施術できる

ダーマペンはペン型の機器を使用するため、細かい部分にも施術を行えます。形状が複雑な鼻の毛穴や、目元や口元の小じわにもペン先をしっかり当てられるので、お顔のすみずみまでアプローチできます。

持続時間が長め

ダーマペンの効果は、肌の悩みによっても異なります。肌のハリやきめの改善は半年ほど効果が続くとされています。また、コラーゲン産生によるニキビ跡や毛穴の開き改善は、持続時間が長めとなっています。

ダーマペンで効果を実感できるまでの回数

コラム32-9

ハリツヤなどは初回から感じられる人も多いです。具体的には下記の通りです。

回数
毛穴の引き締めや肌質改善 3〜5回
浅いニキビ痕 3〜5回
深いニキビ痕 10〜20回

ダーマペンで効果を実感できるまでの費用目安

コラム31-3

当院でのダーマペン治療の価格です。

価格
1回 ¥ 19,800 (税込)
5回 ¥ 89,900 (税込)
10回 ¥ 165,000 (税込)

※当院では、治療満足度に個人差があることに留意して、経験のない方に最初から複数回セットをお勧めするということはありませんのでご安心ください。
※当院で行う治療行為は保険診療適応外の自由診療になります。

ダーマペンの組み合わせ施術

コラム31-1

ダーマペンは単独で受けることができますが、肌の悩みに合わせた薬剤を組み合わせることで、相乗効果を期待できます。ダーマペンの組み合わせ施術や主な薬剤は以下のものがあります。

マッサージピール

ヴェルヴェットスキンは、ダーマペンとマッサージピールを組み合わせた施術です。マッサージピールは、PRX-T33という薬剤を塗布するピーリング施術で、PRX-T33には下記の成分が含まれています。

  • トリクロロ酢酸(TCA)
  • 過酸化水素
  • コウジ酸

ダーマペン後にPRT-T33を塗布することで、美白効果やピーリング作用が高まります。また、PRT-T33は、皮膚の形や弾力を保つ真皮層にアプローチするため、ハリやツヤの回復効果を期待できます。

ウーバーピール

ウーバーピールは、ダーマペン専用に作られた低刺激性のオールインワン型ピーリング剤です。成分としては下記があげられます。

  • マンデル酸
  • 乳酸
  • レゾルシノール
  • ヒアルロン酸
  • ナイアシンアミド

表皮に効果を発揮するため、ダーマペンの深さは浅めになります。加えて、マッサージピールよりも刺激が抑えられているので、痛みに弱い方や炎症性ニキビの場合にもおすすめです。炎症ニキビや色素沈着の改善、美白の効果が期待できます。

CLRローション

CLRローションは、皮脂分泌を抑制して肌質を改善に導くダーマペン4公認の製剤です。成分は下記のようなものがあります。

  • マヌカハニー
  • ナイアシンアミド
  • ヒアルロン酸
  • オリゴペプチド10
  • サリチル酸
  • ペプチド
  • 乳酸

余分な角質を取り除いたり、皮脂の分泌を減らしたり、炎症を起こした肌のバランスを取る効果が期待できます。そのため、ニキビや吹き出物、いちご鼻のような毛穴の黒ずみを改善したい方におすすめです。

BENEV MPF ブライトニングコンプレックス

BENEV MPF ブライトニングコンプレックスは、成長因子や様々な有効成分が細胞を活性化し、皮膚組織の修復速度を早めてくれる製剤です。成長因子やその他の成分は、以下のようになっています。

  • FGF(線維芽細胞増殖因子)
  • EGF(上皮成長因子)
  • 20種のアミノ酸
  • 11種のビタミン
  • 2種の機能性ぺプチド
  • ヒアルロン酸

ヒトの線維芽細胞を純粋培養して精製された多種の成長因子を含んでおり、皮膚の凹みや開き毛穴、全体的な肌の質感を改善します。

FetoSCell Regeneration

FetoSCell Regenerationは、肌の再生効果を促す、ヒト羊水幹細胞から採取したエクソソームを使用した製剤です。

  • NK細胞馴化培養液エキス
  • PDRN(ポリデオキシリボヌクレオチド)
  • ヒアルロン酸

エクソソーム約50億個、成長因子26種類、タンパク質1848種が配合されており、皮膚損傷や老化を抑制する働き、炎症抑制効果があるため、エイジングケアや肌トラブル解決全般に向いています。

ダーマペンを受けるときの注意点

コラム17-2

ダーマペンの施術を受けるときには、いくつかの注意点があります。具体的な注意点の内容は以下です。

複数回の施術が必要

ダーマペンは1回の施術でも効果がありますが、肌の悩みによっては複数回の施術を受けるのが適しています。肌のハリやキメの改善には1回でも効果を期待できますが、ニキビ跡や毛穴を改善するのなら3~6回、深いニキビ跡であれば5~10回の施術が目安になります。

複数回の施術が必要な場合、1~2回目の施術であまり効果を感じられず、3回目頃から効果を実感できるようになることもあります。

副作用のリスク

ダーマペンは肌に針を刺す施術であるため、

  • 出血を生じる
  • 肌への刺激で色素沈着が起こる
  • 肝斑が悪化する

などの可能性があります。
また、施術後の肌の炎症が強くなると、赤みや腫れが強くなることもあり得ます。施術後数日間は、お風呂などで体を温めすぎないようにしましょう。

施術後のスキンケアに注意が必要

ダーマペンは肌に穴を開けるため、一時的にバリア機能の低下を招くことがあります。肌がカサついたり、ごわつきを感じたりすることがあるので、保湿をしっかり行いましょう。紫外線も炎症を強めるので、外出時はUV対策をしっかり行うことが大切です。
また、施術後はピーリングなどの肌に刺激のあるスキンケアは控えてください。通常のスキンケアでも、アルコール成分配合の化粧水も刺激を起こすことがあるので、治療期間中は、肌に優しいスキンケア用品の使用を心がけましょう。

セルフダーマペンの危険

コラム31-3

肌の自然治癒力を利用して色々な肌の悩みに対応できるダーマペンですが、費用面がネックでクリニック以外の施術を検討している方もいらっしゃるでしょう。そのため、ダーマペンの機器を購入して、セルフで行う人もいますがおすすめできません。ここでは、セルフでのダーマペンの危険について解説します。

自己責任になってしまう

ダーマペンは針を利用する医療行為です。本来であれば「医師」か「看護師」しか施術を行うことはできません。お肌の仕組みや患者様に合わせて、適切な状況で施術をしなければなりませんが、医療知識のない方が施術をすると、肌を深く傷つける恐れがあります。セルフでダーマペンを行った場合のトラブルは対処が難しく、自己責任の上で施術となるため、おすすめできません。

施術にムラが生じる

お肌の悩みに応じてダーマペンの針の刺入深度は異なります。そして、その深さは必ずしも一定ではなく、顔の部位によって皮膚の厚さも変化させなければなりません。加えて、ダーマローラのようなセルフの施術は、適切な刺入深度を判断しにくく、肌トラブルを起こしやすくなります。

衛生面の問題

医療機関では、ダーマペン機器の管理を徹底しています。衛生的な環境や消毒など、医療機関と同様の管理を自宅で行うことは難しいでしょう。素手で針を取り扱ったり、滅菌されていない状態で採血や点滴を行わないように、ダーマペンでも衛生面に気を配り、技術を持ったものが施術を行います。

以上のことから、ダーマペンのように肌に針を刺す施術では、医療機関であるクリニックの治療を受けることが大切です。カウンセリングなどで検討した上で選ぶようにしましょう。

ダーマペンのよくある質問

コラム29-9

ダーマペンに薬剤を組み合わせなければいけませんか?

組み合わせる必要があるわけではありませんが、狙いたい症状に合った薬剤を選べば、より高い効果が望めます。

洗顔やメイクはいつからできますか?

施術後12時間以降は制限はありません。

同じ日にヒアルロン酸やボトックス治療はできますか?

ボトックスは可能です。ヒアルロン酸は、注入部位によっては避けたほうが無難かもしれません。

どのくらいのペースで治療しますか?

3〜6週に1度くらいのペースで行う方が多いです。

アフターケアで気を付けることはありますか?

乾燥しやすくなるので、保湿に気をつけましょう。

まとめ

コラム17-4

ダーマペンは肌に無数の小さな穴を開けることで、皮膚の自然治癒力を利用して、コラーゲンの産生を促す施術です。針の刺入深度を調節することで、さまざまな肌の悩みに対応できます。ダーマペンと薬剤を組み合わせることで、成分が肌の奥まで浸透し、相乗効果を期待することができます。

また、当クリニックでも、ダーマペンによる施術や薬剤を用いた組み合わせ施術を行っています。肌トラブルで悩んでいる方はご相談ください。

この記事を監修した医師

ヴェアリークリニック院長

井上 裕章

医師プロフィール

東大医学部卒業後、外科専門研修を修了し、外科専門医を取得。その後、性器・生殖器官や大腸肛門を含む骨盤臓器、および下肢の疾患を専門に外科診療にあたっているうちに、下半身の美容的な悩みを抱える患者さんの相談を多く受けるようになる。しかし、下半身美容を専門的かつ総合的に診療している美容医療機関は存在せず、それぞれの分野に分かれて別個に診療されていることを知る。それでは、最善の治療が提供できないと考え、各分野の美容系クリニックでの修練を重ねたのちに、自らの骨盤臓器と下肢に対する外科治療の経験および知識を生かして、下半身に関する総合的かつ専門的な美容医療を提供するため、veary clinic を開設した。