ヒアルロン酸とは?効果やメリットと起こりうるリスクについて解説

2023.05.17

  • 治療機材

この記事を読んでいるあなたは

  • そもそもヒアルロン酸とはどんなものなのか
  • ヒアルロン酸を身体にいれても害はないのか
  • ヒアルロン酸はどのような効果があるのか

上記のように考えているかもしれません。

この記事は、そのようなあなたに「ヒアルロン酸とは?効果やメリットと起こりうるリスクについて解説」までお伝えします。

ヒアルロン酸とは?

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日常生活でも馴染み深い物質の一つ「ヒアルロン酸」。このヒアルロン酸について、

  • 何となく使用している
  • 分からないけど、良いもの
  • 若々しさを保つのに必要

と考える方も少なくはないと思います。ここでは、ヒアルロン酸について解説しているので、ヒアルロン酸を知ってより良く使用していきましょう。

もともと人の体内にある物質

ヒアルロン酸とはムコ多糖類の一種であり、体内にもともと存在する物質です。そのためアレルギーを引き起こすリスクが少ないとされ、医療医薬品や食品、化粧品などで幅広く使用されています。

ヒアルロン酸の性質

ヒアルロン酸は水分を抱え込む能力が高い物質です。水であればヒアルロン酸量に対して600倍の水分を吸収できます。さらに言えば、水に溶けやすい性質があり、溶かすことで高い粘弾性を得られます。

ヒアルロン酸の特徴

化粧品でも配合されることが多く、しっとりと滑らかな肌を感じやすくなることが特徴です。ですが、そのままでは分子が大きいため、体内で生成されるヒアルロン酸を補うことはできません。あくまで保湿剤として機能します。

体内におけるヒアルロン酸の役割

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ヒアルロン酸は優れた保水力をもち、体内で生成もされる物質と説明しましたが、具体的には、目の硝子体・肌・関節・脳などにヒアルロン酸が存在します。部位によって濃度が異なり、中でも濃度が高いのは目・肌・関節です。ここでは、特に濃度が高い3つの部位の役割を紹介します。

皮膚の水分をキープ

肌では、ヒアルロン酸が乾燥を防ぎ、潤いをキープする役割を担っています。その肌は外側から表皮・真皮・皮下組織の3つの層に分けられており、真ん中の層である真皮は肌のハリや弾力を左右する大切な層です。表皮の約10倍の厚みがあり、真皮にはヒアルロン酸が多く含まれています。

関節の摩擦を軽減

関節液や関節軟骨には、潤滑油やクッションの役割があります。ヒアルロン酸が充実していることで、関節の動きがスムーズになり動きが良くなります。

目の乾燥を予防・緩和

ヒアルロン酸が水分をつなぎ止めることで硝子体の丸さを保っています。さらに、硝子体が傷つかないようにクッションのような役割を果たしているのもヒアルロン酸です。

というのも目は身体の中で、常に外部にさらされている臓器であるため、最も水分を必要とする部位と言われています。中でも、目の硝子体と呼ばれる部分は、水分が99%で構成されている部位です。

加齢とともに減少するヒアルロン酸

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ヒアルロン酸は加齢とともに減少する物質です。20代をピークに30代から徐々に減少し、40代になると赤ちゃんの時期に比べ約半分程度に減少。さらに60代になると4分の1程度の量になるといわれています。

そのため、年齢を重ねると、

  • 肌の弾力やみずみずしさが不足する
  • 関節の動きが鈍ったり、痛みが出る
  • 目が乾燥しやすくなる

といったことが起こり、乾燥肌やシワ・たるみなどの見た目にも影響を及ぼす原因となっています。

ヒアルロン酸の摂取別効果

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ヒアルロン酸は、細胞と細胞の間に存在し、細胞をつなぎ止め、クッションのような役割を果たしています。水分を蓄える能力が高いことから、ヒアルロン酸が充実している肌は、ぷるんと弾力のあるハリ肌をキープでき、シワやたるみを予防できます。若々しい印象をキープするには欠かせない成分です。ヒアルロン酸を取り入れる方法は注入・経口・経皮の3タイプがあり、同じヒアルロン酸を取り入れたとしても期待できる効果が異なります。

肌に注入した時の効果

サプリメントや食事での経路摂取や、化粧品のような経皮吸収と異なり、注射で直接肌に取り入れる即効性のある方法です。ヒアルロン酸には水分を保持する能力があるため、みずみずしい肌を実現させます。また、種類によっては注射した箇所に留まる性質があるため、メスを入れずに理想の形状を叶えられます。

影が気になるようなシワやくぼみに注入すれば、自然なボリュームを演出でき、若々しい印象を取り戻すことが可能です。形状だけでなく、ヒアルロン酸には水分を抱え込む力があることから、肌に潤いを与えるのにも効果的な方法です。

飲む時の効果

サプリメントでヒアルロン酸を摂取したとしても、加齢で減少するヒアルロン酸を補えるとの保証はありません。なぜなら、ヒアルロン酸を口から摂取しても、体内で吸収され代謝されてしまうためです。

近年の研究では、経口摂取で水分量を維持させたり増加させたりして、乾燥を防ぐ効果があるとの結果も出ています。しかし、ヒアルロン酸の構成成分が吸収されたとしても、ごく一部に限られます。さらに、そのヒアルロン酸が肌へとダイレクトに届くとは限りません。

肌につけた時の効果

ヒアルロン酸は分子量が大きいため、化粧水として肌に塗布しても注入したように目に見えてエイジングサインが変化することはありません。肌表面の角質層に留まるのみです。

化粧品に多く配合されていますが、保湿を目的としています。保水性の高さから、肌に潤いを与え乾燥による肌トラブルや乾燥による小じわを予防する効果が期待できます。しかし、ヒアルロン酸そのものを補い、肌のハリや弾力をキープする働きは期待できません。

ヒアルロン酸と美容医療の歴史

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現在でこそ、美容医療で使用されているヒアルロン酸ですが、そこには歴史があります。ここではヒアルロン酸と美容医療の関連性について解説しています。

ヒアルロン酸の発見

ヒアルロン酸はコロンビア大学のカール・マイヤー博士らによって、1934年に牛の目から分離されて発見。それから眼科手術へと用いられ、研究が進み皮膚のシワやたるみの治療に使用されるようになりました。ですが、当時のヒアルロン酸は動物性であったため、アレルギー反応が問題に上がるようになりました。

美容医療への応用

それから研究が進み、ヒアルロン酸が美容クリニックで応用され始めたのは1990年代後半です。クリニックで最初のシワ治療といえばコラーゲンが一般的でしたが、タンパク質の一種であるコラーゲンはアレルギー反応や拒否反応が見られました。そのため、当時は安全性を高めるため事前検査も多く、治療費用は高額。その上、治療をする1カ月以上前からアレルギー検査を行う必要があり時間もかかりました。

非動物性ヒアルロン酸の開発

動物性のヒアルロン酸が開発され、アレルギーを起こす確率が減少し始めます。さらに事前検査もなしに当日治療が可能になり、その手軽さゆえにヒアルロン酸の注入は徐々に広まっていきました。

今ではヒアルロン酸注入は安全性が高く、比較的リスクが低い治療法とされています。しかし、リスクはゼロとはいえないハイレベルな治療法です。そのため、安いからといって安易にクリニックを選ぶのではなく、信頼できる医師が在籍するクリニックで治療しなければなりません。

ヒアルロン酸施術のメリット

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ヒアルロン酸注入のメリットは、施術の手軽さにあります。施術後のダウンタイムも少なく、当日からメイクやシャワーもOKなので日常生活に支障をきたすことなく治療できます。ただし、永久的な効果はないため、定期的なメンテナンスは必要です。

ヒアルロン酸施術の安全性

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多くの医療用途で使用されており、一般的に安全であると考えられています。体内に注入したとしても、数ヵ月から2年程かけて体内に吸収されるため、体内に異物として残る心配もありません。ですが、副作用が生じる可能性はゼロではありません。軽度の腫れや赤みなどの一時的な副作用が発生することもあり、稀にアレルギー反応も起こります。

ヒアルロン酸施術の副作用

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程度の差はあるものの、以下のような副作用が起こる可能性はあります。

内出血

ヒアルロン酸注射は安全性が高いとされていますが、針を使用した治療法のため内出血を起こし紫色のアザが見られることもあります。もっとも、内出血であれば跡になる可能性は低く、1〜2週間程で目立たなくなります。

腫れ・赤み・かゆみ・痛み

ヒアルロン酸を注入した部位の血行が良くなると、腫れ・赤み・かゆみ・痛みなどの症状が現れることもあります。ダウンタイムは2~3日程で、唇になると1週間は必要とされています。

また、治療後24時間は激しい運動・飲酒・サウナや長時間の入浴などは避けるようにしてください。血行が良くなり、赤みがひどくなる可能性もあります。万が一痛みや赤みが出た場合は、部位を冷やすようにすると落ち着きます。しかし、症状が続くようであれば、早めに治療したクリニックへ受診するようにしましょう。

その他の症状

稀に皮膚壊死や失明などの重度な症状が前例として挙げられますが、これはヒアルロン酸が原因ではありません。治療において、通常入れてはいけない血管内にヒアルロン酸を注入したことで引き起こされてしまった例です。顔には多くの血管や神経が通っています。そのため、解剖学を熟知した医師にはあってはならないミスですが、必ずしもゼロではありません。

ヒアルロン酸施術のリスク

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ヒアルロン酸はもともと体内で作られる成分のため、体内に取り入れても安全性が高いとされています。ただし、使用する製剤は、実際に身体の中で生成されているヒアルロン酸と全く同じということはありません。ヒアルロン酸注射で使用されているのは非動物性の製剤です。

アレルギーのリスク

非動物性はアレルギーを引き起こしにくいといわれていますが、可能性はゼロではありません。注射で使用されるヒアルロン酸製剤は、メーカーによって配合されている成分が異なります。安易に安さ重視でクリニックを選んでしまうと、ヒアルロン酸の分解を抑える添加物や、質の低いヒアルロン酸に含まれる不純物が原因でアレルギー反応を引き起こすこともあるため要注意です。

万が一に備え、アフターケアがしっかりしているクリニックを選び、もしアレルギー症状がでたときでも適切な診療と処置を受けられるか確認しておきましょう。

仕上がりが左右されるリスク

副作用が少ないヒアルロン酸の治療にとって、多いトラブルと言えるのが仕上がりの満足度です。医師の技量だけでなく、センスも問われるのがヒアルロン酸注入です。治療目的と治療部位に合わせ、医師が適したヒアルロン酸製剤を選びます。加えて適量を見極め、ナチュラルな印象に仕上げるためには豊富な経験とセンスが必要です。

ヒアルロン酸施術後の修正は可能か

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万が一仕上がりに満足しない場合でも、「ヒアルロン酸分解注射」で症状を改善に導きます。ヒアルロン酸分解注射とは、ヒアルロン酸の量が過剰だったため、仕上がりに凹凸ができてしまったり不自然に感じてしまったりする症状を解消する治療です。使用される成分はヒアルロニダーゼといい、元々体内に存在する成分を使用しています。

液剤を注入することで、ヒアルロン酸が分解され消滅し不自然に感じた箇所も、元の状態に戻せます。

ヴェアリークリニックでのヒアルロン酸施術

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ヒアルロン酸注射は、幅広い悩みに対応できる治療方法です。リフトアップ・ボリュームアップ・審美目的などの他にも、ハリやツヤ感アップのような美肌治療にも効果があります。ここではヴェアリークリニックのヒアルロン酸施術について、ご紹介します。

名器形成(膣ヒアルロン酸)

膣にヒアルロン酸を注入し、膣を狭くし、膣圧を高める施術です。専用の膣圧測定器を用いて、膣の状態を把握しつつ、希望する形やお悩みをもとにデザインを決定していきます。

施術は麻酔が効いてきたら、膣にヒアルロン酸を注入、形を丁寧に整えたら終了です。期間を置かずに繰り返し行うこともできます。そのため、何回かに分けて少しずつ形を整えていくことも可能です。

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Gショット

Gショットとは、女性向けの不感症治療の1つです。Gスポットと呼ばれる部分へヒアルロン酸を打つことによって隆起させ、感度を高めます。Gスポットを隆起させるのに必要なヒアルロン酸の注入量は人によって異なるため、事前診察の際に患者様と決定していきます。施術は名器形成と同様に形を整えて施術完了です。

コラムバナー_Gショット

大陰唇ヒアルロン酸

大陰唇ヒアルロン酸注入は、たるんでしまった大陰唇のハリを出す施術です。大陰唇のたるみが軽度である場合は、ヒアルロン酸の注入で改善が期待できます。大陰唇縮小手術よりもダウンタイムが少ないことがメリットです。

コラムバナー_大陰唇ヒアルロン酸

顔へのヒアルロン酸注入

ヴェアリークリニックでもお顔へのヒアルロン酸の注入を行っています。下記はヒアルロン酸注入で期待できる効果です。

  • ほうれい線改善
  • ゴルゴライン改善で老け見え解消
  • 目の下のくま・たるみ・くぼみ改善
  • 額やこめかみのくぼみを改善し丸みのあるシルエット
  • 口角アップで唇をデザイン
  • フェイスラインのたるみ解消
  • アゴの形成による美しいEラインの形成
  • 唇のボリュームアップでアヒル口・M字リップへ
  • 涙袋形成で愛らしい目元

年齢を重ねると、こめかみや額など部分的にくぼみやすくなります。そこで、くぼみのある箇所にヒアルロン酸を注入すると、顔全体にボリュームが出るため、「痩せ」や「こけ」で老けた印象を解消できます。

亀頭増大

亀頭へヒアルロン酸を注入し、亀頭のサイズアップをはかる施術です。軽度の包茎であれば、改善が期待できます。注入箇所や注入量は事前のカウンセリングで決定するので、ご不安やお悩みをお伝えください。

亀頭増大の詳細は、こちら

まとめ

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ヒアルロン酸とは、もともと体内で生成される物質であり、身体の機能を高め保護する役割を担っています。そのヒアルロン酸をダイレクトに注入することで、ボリュームを与えたり、理想のシルエットを叶えたり、お悩みの改善を期待できます。ヒアルロン酸は比較的安全性も高く、ダウンタイムもないため気軽に受けられるポイントです。気になる方は、ぜひヴェアリークリニックへ無料カウンセリングにいらしてください。

この記事を監修した医師

ヴェアリークリニック院長

井上 裕章

医師プロフィール

2014年東京大学医学部卒業。外科専門研修を修了、外科専門医を取得を経て、2019年に東京大学医学部附属病院にて勤務。性器・生殖器官や大腸肛門を含む骨盤臓器、および下肢の疾患を専門とする外科診療に従事してきた。その過程で下半身の美容的な悩みを抱える患者さんから相談が多く寄せられるようになるが、下半身美容を専門的かつ総合的に診療している美容医療機関が存在しないことを知る。自身で立ち上げるために各分野の美容系クリニックにて修練を重ねたのち、2022年に「veary clinic」 を開院。自らの骨盤臓器と下肢に対する外科治療の経験および解剖の知識を生かしつつ、最善の治療を患者さんに提供している。日本外科学会認定外科専門医。日本外科学会、日本性機能学会、日本フットケア・足病医学会、日本大腸肛門病学会に所属している。