セックスが痛いのはなぜ?性交痛の原因と5つの解消法を徹底解説

2023.03.10

  • 女性器形成

この記事を読んでいるあなたは

  • 性交痛はどうしたらいいか分からない
  • セックスが辛くてたまらないけど、パートナーに言えない
  • 痛みの原因が知りたい

上記のように考えているかもしれません。

この記事ではそんなあなたに、「セックスの際に痛いと感じる原因と対処法」について解説します。セックスで痛みを感じたことのある女性の割合についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

半数以上の女性が「セックスが痛い」と感じたことがある

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セックスの際に生じる痛みは、「どうして私だけ」「誰にも相談できない」と考え、年齢問わず多くの女性が悩んでいます。しかし相手を気遣う気持ちなどから、痛みを我慢してセックスを続けている女性は多いのではないでしょうか。

JEX JAPAN SEX SURVEY 2020 調査結果」によると、セックスで痛みを感じたことがある女性は、62.4%と半数以上の結果が出ています。またセックス中に痛みを感じる女性の年齢層の割合は、20代が74.1%、60代が56.8%で、低年齢の人が痛みを感じていることが分かりました。女性のセックスによる痛みは、経験不足や膣のうるおい不足、妊娠・性感染症への不安など様々な要因が挙げられます。このようなデリケートな悩みは、1人で抱え込みがちですが、痛みを我慢したままセックスを続けると、以下の問題に発展するケースがあります。

  • 痛みが悪化する
  • セックスに消極的になる
  • オーガズムを感じられなくなる

そもまま痛みを放置していると、症状が重くなったり病気になる可能性があります。男性器の挿入時の際に「摩擦で擦れて痛い」「奥にあたると痛い」などのお悩みがある場合は、早めの対策が必要です。

セックスが痛いと感じる主な原因5選

コラム1-1

幅広い年代の女性が、セックスで生じる痛みについて悩んでいます。痛み内容は「ヒリヒリする」「奥がズキズキする」などが挙げられますが、その原因は人それぞれです。
そこで本章では、セックスによる主な原因を5つ紹介します。

  • うるおい不足
  • 生まれつきの体質
  • 女性ホルモンの減少
  • 性的興奮や欲求の不足
  • コミュニケーション不足

痛みの原因を知ることでその後の対処法を判断しやすくなるので、ぜひ参考にしてみて下さい。

うるおい不足

セックスによる痛みの原因は、主に「うるおい不足」と言われています。膣内が十分に濡れていない状態だと、挿入時や男性側が動いたときに「痛い」と感じる女性は多いでしょう。

そもそも女性が濡れる仕組みは、何か刺激を受けたときや性的興奮が高まったときに起こります。下半身に血液が流れることで、膣の周りの毛細血管が拡張し潤滑液が出てくるため、膣内がうるおう状態になります。この潤滑液は、男性器を受け入れるためだけでなく、女性の体が傷つかないための働きでもあります。男性側は勃起することでセックスができる状態となりますが、女性は受け入れ準備をする時間が必要です。

潤い不足で痛みや違和感を感じて「セックスが楽しめない」という方は、膣内を濡れている状態に導くことが大事です。とはいえ潤滑液の分泌量は、その日の体調やストレスレベルによって影響を受けることもあるので、まずはリラックスすることを心掛けましょう。

生まれつきの体質

女性の膣内が濡れるのは、生理現象の1つです。汗をかくのと同じように、女性の愛液が分泌する量やタイミングには個人差があります。気持ちがあるのに全く濡れない女性もいれば、セックスとは関係のない状況で濡れる人もいます。セックスのたびに「濡れない」と感じている場合は、体質的な問題かもしれません。

例えば、過度な冷え性体質の方は血行不良により濡れにくくなっている可能性があります。普段から冷え性を自覚している女性は、身体をあたためて血行を良くする工夫を取り入れましょう。膣のうるおいには血液循環が欠かせないので、セックスの前に入浴をしたりストレッチをしておくのもおすすめです。

女性ホルモンの減少

女性は45歳~55歳くらいになると、閉経を迎えます。閉経前後の女性は、女性ホルモンの「エストロゲン」が減少し更年期の症状が出る人も多いでしょう。このエストロゲンが減少すると、普段イライラしないことでも怒りっぽくなったり、肩こりや不眠を引き起こすひともいます。またセックスにおいては、以下の症状が出やすくなります。

  • 膣分泌量が減少する
  • 膣が乾燥しやすくなる
  • 外陰部の皮膚が薄くなり、摩擦で痛くなる

このように、ホルモンバランスの乱れと膣のうるおいは大きく関係していることが分かります。また閉経前後の女性に限らず、20~30代であってもホルモンバランスが乱れると更年期と同じような症状が起きやすいので注意が必要です。

また、産後の女性はホルモンバランスが通常時と異なるので、うるおい不足になりがちです。産後の「会陰切開が怖い」という女性も多いので不安や緊張から筋肉がこばわり、余計に濡れにくくなってしまいます。

性的興奮や欲求の不足

セックスのときに性的興奮を感じる女性は「愛情ホルモン」と呼ばれる「オキシトシン」が上昇し膣が濡れていきます。性欲のスイッチが入らないままセックスをしていると、オキシトシンが出ないので濡れにくくなっている可能性があります。
その時の環境や相手との関係性によって、性的欲求が減少している人も多いでしょう。パートナーとの付き合いが長い男女は、セックス前の興奮が減少しがちです。

他にもセックスの際に「気分が乗らない」と考えてしまう理由は、以下のとおりです。

  • 2人の関係性が良くない
  • ストレスや不安を抱えている
  • 過去の体験がトラウマになっている

セックスでテンションが上がらないという方は、普段と違う環境にしてみるのもおすすめです。例えば、普段のセックスは家が多い場合は、ホテルに行く約束をしてみても良いでしょう。
また、更年期を迎えた女性は性欲が低下しやすくなります。理由は、閉経や孫が生まれるなどの老化と感じ、女性であることに自信がなくなるためです。ライフステージによって、セックスに対する感じ方が変化することを覚えておきましょう。

コミュニケーション不足

セックスで痛みを感じている原因の1つが、パートナーとのコミュニケーション不足です。気持ちの良いポイントやセックスに対する不満をパートナーに伝えられず、痛みを我慢している女性も多いのではないでしょうか。

また、女性側が痛いと訴えても「大丈夫だよ」「そのうち良くなる」といった発言をする男性もいるでしょう。このような発言をする男性は、自分の欲求を優先していたり、AVのセックスが正解だと思っている可能性があります。
セックスに関する価値観のズレがある場合は、地道にすり合わせていくことが大事です。セックス後のピロートークや、普段の生活の中でリラックスしている時間で自分の本音を伝えてみましょう。

セックスが痛いときの5つの予防策

コラム6-1

セックスの際に痛みを感じていても「何をしていいか分からない」とお悩みの女性は多いのではないでしょうか。痛みを我慢し続けると、自分が苦しくなるので早めに対策しておきましょう。

そこで本章では、以下5つの予防策を紹介します。

  • ローションを使う
  • 食生活や生活習慣を見直す
  • 十分な前戯でリラックスする
  • 体位を工夫する
  • 婦人科を受診する

痛みを感じてセックスが楽しめないという女性は、ぜひ参考にしてみてください。

ローションを使う

セックスで痛い思いをすると、消極的になったりトラウマになることもあるでしょう。膣のうるおい不足でセックスが痛いと感じる場合は、ラブローションの使用がおすすめです。

ラブローションはマッサージローションと区別するために「潤滑ゼリー」や「潤滑ジェル」とも呼ばれています。渇きを感じたらセックスの途中でも使用できるので、1つ持っていると安心です。

とはいえラブローションは種類が豊富なので「選べない」とお悩みの方も多いでしょう。ラブローションの種類は、主に以下の3つのタイプに分けられます。

  • ウォーター
  • シリコン
  • オイル

香り付きや植物由来のものなど、バリエーションが豊富で潤滑度も差があります。「挿入時の摩擦が痛い」と感じたときに、サポートアイテムとして活用してみてはいかがでしょうか。

食生活や生活習慣を見直す

セックスでピストン運動をする際、膣のうるおいはとても大切です。女性がうるおっている状態になるためには、ホルモンバランスが関係しています。

女性は、性的な興奮があると「オキシトシン」というラブホルモンが分泌され、膣が濡れていきます。しかし、日頃の疲労がたまっている女性は、ホルモンバランスが乱れてオキシトシンが分泌されにくくなるので「うるおい不足」を感じるでしょう。

「膣が乾いて痛い」と感じている女性は、十分な休息や睡眠をとり体調の良いタイミングでセックスをしてみるのも1つの手です。夜にセックスをするカップルや夫婦は多いかと思いますが、疲労がとれている朝のセックスもおすすめです。

また膣のうるおいは、日頃の水分補給やダイエットも関係しています。水分をあまりとらなかったり、無理なダイエットをすると血液の流れが滞り濡れにくくなってしまいます。しっかり水分補給を取り、健康的な食生活をしてうるおう体を目指しましょう。

十分な前戯でリラックスする

セックスで濡れる状態になるためには、キスやボディタッチなどの愛撫が重要です。いきなり男性器を挿入しようとしても、愛撫が足りないと女性の膣はうるおいません。

また十分な前戯を男性にしてもらうことで、女性は以下のメリット得られます。

  • 気分が盛り上がる
  • リラックスできる
  • 膣がうるおい挿入時が痛くなくなる

セックスで男性側を受け入れる準備をするため、濡れにくい女性は前戯が欠かせません。なかには「前戯時間が短い」「雑で濡れない」と不満を感じている女性も多いでしょう。男性の前戯に不満を感じている場合は「もっとこうしてほしい」といった願望を正直に伝えてみるものおすすめです。男性側が疲れているときは前戯が短くなりがちなので、翌朝ものんびりできる日に話し合いをしてみましょう。

体位を工夫する

セックスで痛みを感じやすい人は、体位に問題がある可能性があります。ピストン運動の強さや、自分の体調によっても痛みの度合いが変わる人もいるでしょう。

騎乗位

挿入時の摩擦で痛みを感じるお悩みを持つ女性におすすめするのが、男性の上で動く騎乗位です。女性がスクワットをするように上下に運動する騎乗位は、自分の好きな部位に当てやすいので痛みを感じにくくなるでしょう。

挿入が浅い正常位

深い挿入が痛いという女性は、正常位の際に足を閉じると浅い挿入になります。男性器が「奥まで当たるのが痛い」という方は、一度試してみてください。

クッションを入れる

男性と女性に対格差がある場合は、正常位の際に女性の腰の下にクッションを入れてみる方法もあります。クッション高さを調節できるので、挿入の角度が変わり痛みが和らぎます。

他にも「後背位(バック)」やお互いが前を向いて座る「背面座位」、抱き合う大勢の「対面座位」など、様々な体位がありますが、パートナーとコミュニケーションをとりながら、気持ちの良い体位を探してみてみましょう。

婦人科を受診する

セックスによる痛みや不安は、プライバシーに踏み込んだ内容なので「誰にも言えない」とお悩みになる女性も多いでしょう。もし痛みを我慢していたり、1人で不安を抱えている場合は、産婦人科の受診をおすすめします。

セックスの痛みの原因は、自力で解決できるものもあれば感染症など治療が必要なケースもあります。婦人科を受診するタイミングは、以下を参考にしてみてください。

  • 頻繁に痛みを感じる
  • 痛みが強い
  • セックスの後も痛みが残る

このような症状がある場合は、早めに婦人科を受診してみてください。問診の際は、恥ずかしくても隠したりせず性生活についてなるべく正確に答えましょう。

また主な内診の内容は、外陰部の皮膚の異常や膣内の観察、子宮の動きなどを確認していきます。初めての受診は不安に感じるかもしれませんが、もし原因疾患が特定されれば早めの対策が可能です。

セルフケアによる痛みの緩和が見れない女性は、無理をせずに婦人科に頼りましょう。

まとめ

コラム2-3

セックスによる痛みは、女性の半数以上が感じています。決して珍しい悩みではないので、1人で我慢しないようにしましょう。

最後に、セックスの際に生じる主な痛みの原因を以下にまとめます。

  • うるおい不足
  • 生まれつきの体質
  • 女性ホルモンの減少
  • 性的興奮や欲求の不足
  • コミュニケーション不足

人によって痛みの原因は異なりますが、膣がうるおうことでセックスによる痛みを緩和できます。「濡れにくい」と感じている女性は、ラブローションを使用するなどして対策していきましょう。

この記事を監修した医師

ヴェアリークリニック院長

井上 裕章

医師プロフィール

東京大学医学部の卒業後は外科専門研修を修了し、外科専門医を取得。性器・生殖器官や大腸肛門を含む骨盤臓器、および下肢の疾患を専門とする外科診療にあたる中で、下半身の美容的な悩みを抱える患者さんから相談が多く寄せられるようになる。その過程で、下半身美容を専門的かつ総合的に診療している美容医療機関が存在せず、それぞれの分野に分かれて別個で診療されていることを知り美容医療の道へ。最善の治療を患者さんに提供するべく、各分野の美容系クリニックでの修練を重ねたのちに、自らの骨盤臓器と下肢に対する外科治療の経験および解剖の知識を生かし、下半身に関する総合的かつ専門的な美容医療を提供する「veary clinic」 を開院へと至る。